12月6日より世界に先駆けて公開された『47RONIN』は、『スピード』(1994年)や『マトリックス』シリーズで知られるキアヌ・リーブスが主演を務め、真田広之、浅野忠信、菊地凛子、柴咲コウ、赤西仁といったハリウッドや日本の映画界の第一線で活躍するキャストが揃い、日本の忠臣蔵の話をベースにハリウッドがアレンジを加えた、まったく新しいエンタテインメント作品だ。同作に吉良上野介役として出演している浅野忠信と、その吉良に仕える妖女ミヅキを演じる菊地凛子に話を聞いた。
浅野忠信×菊地凛子だったから、吉良チームは盤石だった!
――この作品は撮影から公開までかなり時間がかかったとのことですが、作品が公開された今の心境をお聞かせ下さい。
菊地:ここまでのプロセスがちょっと長かったので、やっと公開になったという気持ちです。そして、インターナショナルなプレミアも日本で行えるというのは、(今までハリウッド作品に参加してきて)経験したことがなかったので、異色でしたね。
浅野:(公開まで)長かったですねぇ。撮影が終わってから公開までの間も、アフレコをしたり、映像を編集するなど、色々な作業を積み重ねてこの日を迎えられたことを、きっと誰よりも監督が喜んでいると思います。
――撮影はいつ頃だったのですか。
浅野:2年前です。ちょうど日本で大きな地震が起きてしまったときでした。
――撮影期間自体は、これまでのハリウッド作品と同じような長さだったと。
菊地:(浅野に向かって)4カ月以上ありましたよね?
浅野:あったねー。だから多分通常の作品よりも撮影期間は長かったと思います。
――撮影場所も日本ではなかったんですよね。
浅野:ロンドンとブタペストでした。
――この作品に出演することが決定したときの心境をお聞かせ下さい。
菊地:私は、オーディションでこの役をいただいたんです。主要な女性キャストがふたりだったので、そのどちらかにというものだったんですけど、最終的に魔女の役をいただいたので、責任逃れできる役だと(笑)。要は自分でクリエイトできる役柄だったので。そういう意味では楽しめましたね。
浅野:僕は『バトルシップ』(2012年)の撮影時に、ロサンゼルスで監督と会うチャンスをいただいたので、「忠臣蔵」って知っているかと聞かれたり、色々な話をして。そこで、「この話は"浅野"のヒストリーで、おばあちゃんに昔から聞いていた話だから、映画をやるなら絶対やりたいんだ」と話したんです。なのに、蓋をあけてみたら吉良上野介役だったから、「あれっ俺の話聞いてたかな?」って(笑)。それは凄くおかしかったですね(笑)。ただ、よくよく考えてみると悪役と良い役どっちがやりたいかと聞かれたときに「悪役をやりたい」と話したので、監督はそれを汲んでくれたのかなと思います。
――おふたりは以前から親交があったとのことですが、共演することが決まってどんな気持ちでしたか?
菊地凛子 |
菊地:私は単純に、浅野さんと同じフレームのなかに入ったことがなかったので、決まったときはやっと浅野さんと仕事ができるって思い、嬉しかったです。ずっと浅野さんを追いかけてきて、浅野さんの所属する事務所にも入りましたし。撮影現場でも浅野さんと一緒だったので、ずっとふたりで話していたんですが、コウちゃん(柴咲コウ)に「毎日、毎日どれだけしゃべることがあるの! ふたりはどれだけしゃべっているの(笑)」と言われたりして、楽しかったです。
浅野:ありがたかったですよね。これまでずっと一緒で、ふたりの密な関係が出来上がっていたので、吉良サイドは力強くいられたと思います。それは良かったですね。
――この作品は、今までの忠臣蔵とは一線を画した作品に仕上がっていますよね。
菊地:私が今まで観てきた忠臣蔵ではないのは確かなんです。魔女も出てくるし、クリーチャーも出てくるし、まったく新しいと思います。なので、忠臣蔵と思わず、『47RONIN』というまったく新しい作品だと思ってみてほしいですね。
浅野:皆さんが想像している通り、ハチャメチャな映画なので、逆にそういうつもりで観てもらった方がいいと思います。忠臣蔵だと思って脚本を読んだときに「こんなことありえないよ!」って思うこともあったけど、そこを楽しまないと意味ないなと思ったんです。このハチャメチャを前向きに捉えて演じていったらどうなるかを考えて取り組んできたので、前向きにそのハチャメチャを楽しんでもらえれば面白いと思います。