おまけとして、Windows 8/8.1タブレットを語る際に、最近お約束(?)になりつつある「艦隊これくしょん」の動作についてもちょっと検証してみた。ログインから「GAME START」ボタンを押し、司令部 (メイン画面)のボタンが出るまでの時間は1分30秒弱。一度ログインしてしまえば遊べるが、最初だけちょっと待たされる点は心の準備をしておこう。

今回のテストはCPU負荷も見るためにデスクトップ版IEも使っているが、フルスクリーン表示されるModern UI版IEにおいては、動きの重さが体感で3割増し程度になる。高解像度の液晶を採用しているため、フルスクリーン表示で書き換えるドットが増えると、その分GPUやメモリのボトルネックが影響してくると考えられる。

BayTrail-T搭載タブレットだとCPUパワーが不足するせいか、時々こうした警告が出る。慌てず「いいえ」を選べば先に進める

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最後にバッテリ駆動時間をチェックしよう。「bbench」のキーストロークとWeb巡回(無線LAN経由)を併用した状態で、画面輝度を50%に固定して計測した。Web巡回にはデスクトップ版のIEを画面一杯に広げて実行している。こうした条件のもとでは、公称の15.5時間に比べると約半分程度の結果になるのも仕方がない。とはいえ、ベッドサイドやリビングに置いて楽しむタブレットとしては十分なスタミナである。

■bbenchによるバッテリ駆動時間 約8時間18分


まとめ : 技術の進歩に感動するデバイス

CPUやグラフィックの描画性能は、従来のAtomよりずっと高いと感じるものの、「Surface Pro 2」のようなCore i搭載タブレットと比較すると、パワー不足を感じる部分はあった。しかし、ブラウザでSNSを利用したり、WordやExcelで文書を編集する程度には十分使える。

単にWindows 8.1とOfficeが使えるタブレットとして考えるなら、QH55/Mは割高だ。もう1万円上乗せすれば、Core i搭載機も射程圏内に入ってくる。しかし、QH55/Mの設計は、これまでWindows8が入りこめなかったシーンでWindowsによる作業を可能にしてくれる。

風呂やキッチンでも故障を気にせず使えるし、何より完全ファンレスなので、夜中にベッドサイドで使っても隣で寝ている人をファンノイズで起こす心配がない。バッテリのスタミナも十分に長いし、いざとなればUSB接続のモバイルバッテリをリリーフに付けることもできる。

ノートPCとタブレットの両形態で使える2in1デバイスが増えてきたが、このQH55/Mはタブレットとしての完成度を極限まで高めた製品だ。Windows 8の登場から約1年、当時「タブレットとの融合」というキーワードを眉に唾を付けつつ聞いていた我々だが、QH55/Mは技術進歩のすごさで感動を与えてくれるデバイスといえる。

オプションの「拡張クレードル」を装着した状態。充電スタンドになるほか、USB2.0を3ポートやHDMI出力、有線LANなどを引き出せるため、ぜひ確保しておきたい。WEB MARTの直販価格で8,400円

オプションの「スリムキーボード」を装着したところ。キーピッチは約18mm(横方向実測値)、タッチパッドのサイズは55×93mm。WEB MARTの直販価格で14,800円

製品名 ARROWS Tab QH55/M
CPU Intel Atom Z3770 (1.46GHz)
メモリ LPDDR3-1066 4GB (2GB×2)
グラフィックス Intel HD Graphics (CPU内蔵)
ディスプレイ 10.1型ワイド液晶(2,560×1,080ドット、タッチパネル)
ストレージ 64GB SSD
ネットワーク IEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0+HS、NFC
インタフェース USB 3.0×1、USB 2.0×1、microSDカードスロット、80万画素Webカメラ、200万画素Webカメラなど
サイズ/重量 W267.0×D180.8×H9.9mm/約650g
バッテリ駆動時間 約15.5時間
OS Windows 8.1 32bit
店頭価格 105,000円前後