プロジェクタはサブ利用前提だが、単体でも意外と便利
先ほどの仕様紹介を見てもらえればわかるとおり、BRIX Projectorのプロジェクタは、あくまでも補助的なものなのであろう。スクリーンまでの距離を長めにとれれば、それなりに大きな映像を映すことができるが、解像度や輝度がかなり控えめであるため、単体のプロジェクタと同様に使うには少し心もとない。普段はデスクの液晶ディスプレイに接続し、他のBRIXのように小型PCとして利用しつつ、ちょっとした会議などで軽くプロジェクタ機能を……といった使い方になるだろう。
Windowsからは、このプロジェクタは独立したディスプレイ入力として認識されるので、一応メイン画面として利用でき、別途液晶ディスプレイなどを用意しなくても使うことができる。もちろん別途ディスプレイをメインとしてつなげば、メインのディスプレイの拡張画面や、クローン画面として設定できる。
この、プロジェクタをメイン画面で、単体で利用できるのが、BRIX Projectorのかなり便利な部分のひとつだ。スピーカーも内蔵しているので、例えばポインティングデバイス一体型Bluetoothキーボードなどを用意すれば、投影できる壁と電源さえあれば、BRIX ProjectorとBluetoothキーボードだけで運用できてしまう。BRIX自体が非常に小さいので、筆者が普段ノートPCを入れて使っている仕事用カバンにも一式無理なく入ってしまう。ビジネス用途で、前述のちょっとした会議だけでなく、出先でのプレゼンなどでの活用も視野に入ってくるだろう。普段デスクで使っている環境がそのまま持ち出せることも嬉しいポイントだ。
例えば、ワイヤレスでポインティングデバイス一体型と言えば"ド定番"のレノボ「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」を用意すれば…… |
そんなに大きくないキーボードが大きく見えるほどの、たったこれだけでPC環境一式となるわけで…… |
ホームユースで使い道はさらに拡がる!?
ビジネスでは結構使えそうな予感がするBRIX Projectorだが、個人的にはホームユースの方もかなり相性の良い製品になりそうだと感じている。子供用や家族用PCとして普段使いにちょうど良いハードウェアスペックだし、プロジェクタで壁に画面を投影して使えれば、ホームビデオの上映会であったり、グーグルアースで地理の勉強とか、軽いブラウザゲームで遊んだりといった用途がかなり楽しくなりそうだ。
別途液晶ディスプレイ無しで、キーボードとBRIX Projector本体だけで運用できるのは思いのほか便利であったが、ちょっと気をつけたいポイントもふたつほど。まず、プロジェクタの解像度がWGAしかないため、高解像度が前提のWindows 8など最近のWindows OSでは、アプリの画面が表示しきれなかったりするので工夫が必要なこと。そして、単体のプロジェクタを使ったことがある方ならおわかりかと思うが、プロジェクタは結構発熱するため、BRIX Projectorでもそれを冷却するためのファンノイズが通常のPCより大きめなことだ。
最後に、性能についてだが、性能というよりは機能に特徴のあるマシンである上、さらに前述のようにベアボーンPCのかたちで製品化となる公算が大きいため、メモリとストレージを別途追加している今回の環境では、本機の正確に実力をはかることはできないだろうと判断。というわけで、プレビュー記事でもある本稿では、CPUのIntel Core i3-4010Uの性能の目安として、CINEBENCH 11.5のCPUレンダリングテストの結果のみ掲載しておきたい。