すべてのニーズを1本のヘッドホンで満たすのは難しい。聴いている曲によっては、もっと低域がほしいと感じたり、高域の伸びがもっとあったらと感じるような場合もある。聴いているソースだけではない。例えば、公共交通機関での移動中などではノイズキャンセリング機能がほしくなるし、音楽だけでなく映像コンテンツも楽しみたい場合には、サラウンド機能がほしいというように、使用状況によってもヘッドホンに求められるものは異なってくる。
クリエイティブメディアのエンターテインメント/ゲーミングヘッドセット「Sound Blaster EVO ZxR」(以下EVO ZxR)は、マルチコアのオーディオプロセッサ「SB-Axx1」を搭載し、ニーズにあわせて特性や機能をコントロールすることができる製品。さまざまなニーズに1本で応えることが可能なヘッドホンだ。機材をお借りしたので、レビューをお届けしよう。
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SB-Axx1を使用して好みの特性にカスタマイズする機能は、「SBX Pro Studio」と呼ばれている。SBX Pro Studioの設定を行うには、Bluetooth接続したスマートフォンやタブレット、あるいはUSB接続したPCかMacが必要だ。
下の写真を見てほしい。これは、スマートフォンからEVO ZxRをコントロールするためのアプリ「Sound Blaster Central」の画面だ。
左側が、搭載されている機能のコントロール画面だ。ここで操作できる項目は、「Surround」「Crystalizer」「Bass」「Smart Volume」「Dialog Plus」の5つ。Sorroundはバーチャルサラウンド機能で、Crystalizerは、圧縮音源などで失われる音楽成分を補間する機能、Bassは低域増強機能。Smart Volumeは急激な音の変化を吸収する機能で、Dialog Plusは、映画のセリフなどをはっきりと聴き取りやすくする機能だ。これらはAVアンプなどではよくみる機能である。
これだけではない。右側の画面はイコライザーだ。イコライザーは31Hzから16kHzまで10バンドで、±12dBのコントロールが可能だ。音楽のジャンルに合わせた10種類のプリセットが用意されているほか、カスタム設定を登録することもできる。
イコライザーの効果はかなり強力だ。例えば、低域を思いっきりプラス側に振ると、クラブサウンド向けに低域が強化されたヘッドホンでもここまで低域重視ではないだろう……というほど極端なバランスにすることもできる。
EVO ZxRは着脱式のケーブルが付属しており、BluetoothやUSBに対応していないAV機器と接続することも可能だ。SBX Pro Studioの設定を行うには、EVO ZxRをスマートフォンやタブレット、PCなどとBluetoothあるいはUSBで接続する必要がある。ワイヤード接続した場合でも、設定した内容は記憶されている。そのため、スマートフォンやタブレット、PCなどをパラメータ設定に使用して、テレビなどで臨場感の高いサラウンド再生を楽しむといったことも可能だ。