当日は雨も心配されるような曇天だったが、24シーンを自動認識するフルオート「こだわりオート」で手軽かつキレイに撮影できた。これでも十分満足だが、プラスムービーオートの動画が加わると、これらの写真のイメージがより大きく膨らんでくる。

Canon PowerShot S120 プラスムービーオート(HD 30P)

とっておきのキメ顔をつくるところ、ピースをしようかやめようか悩むシーン、そして周囲の音や「ハイ、チーズ!」の声。うれしさや楽しさなど写真だけでは残せないその場の雰囲気も、動画であれば臨場感たっぷりに伝えてくれるのだ。「カシャッ!」というシャッターの効果音とともに画がキマるのも、見栄えがいい。

このダイジェスト動画を演出的に意識して使っても面白そうだ。レースや鉄道撮影ではシャッターを切る瞬間までの車両走行シーンを記録できるし、エンジン音や警笛も録れる。ペット撮影では、動きや鳴き声を記録できるのは魅力だろう。動きのある被写体とは非常に相性がいい機能だ。

ダイジェスト動画は1日単位でファイルになるため、旅行などで1日の思い出をまとめて振り返ることができる。ただ、失敗ショットもすべて含まれてしまううえ、失敗ショット(写真)を削除しても、ダイジェスト動画にはそのシーンが残る。カメラ上で動画をカット編集することもできるが、ファイルの前後をカットできるだけで、シーンを選んで削除する機能はない。また、各ショットにつき4秒という再生時間も、好みの分かれるところだろう。撮った写真を流し見するにはいいテンポだが、少々せわしないようにも感じる。再生時間を数種類の選択肢から選べると、より被写体に合ったダイジェスト動画が作れそうだ。

なお、プラスムービーオートは同社の「Powershot G16」をはじめ、「PowerShot SX280 HS」「PowerShot N」「IXY 620F」「IXY 610F」にも搭載されている。

モードダイヤルを回すと、画面にもモード表示が現れる。説明も表示されるのでわかりやすい

「プラスムービーオート」モードで設定できる内容は、非常にシンプル。ダイジェスト動画は60PのフルHDでも撮影可能

カメラ上で動画カット編集が可能

動画再生画面。スロー再生も可能だ