「ストックフォト」という言葉をきいたことがあるだろうか。それは頻繁に使用されるであろうシチュエーションで用意された写真素材のことで、パンフレットやWebサイトなどで商業的に写真を使用したいときに、わざわざ撮影をしなくてもすぐ購入できるのが最大の特徴である。
そんなストックフォトを数多く提供する、ゲッティ イメージズ傘下のストックフォトサイト「iStock」は、日本のフォトグラファーを対象に実践型プログラム「iStockalypse」を開催した。これは、世界に挑戦するフォトグラファーに必要なスキルを鍛える集中プログラムで、100名のフォトグラファーをなんと無料で招待するというもの。ここでは、3日間にわたって実施された同プログラムの2日目に行われた、撮影会の模様をお伝えする。
「iStock」のクリエイティブ プランニング部門の責任者・レベッカ スィフト氏が撮影会に姿を見せ、カメラマンたちの奮闘を見守った。彼女は撮影前の時間を使い、前日に行われたレクチャーのまとめを披露してくれた。同氏によると、iStockでは現在20万人、世界中から1500万点以上(!)の写真をストックしており、さらに毎日3万点の写真がアップロードされているというデータを披露。「iStock」の傾向として、特にアート思考の高い写真がたくさん集まっており、登録している写真家はストックフォト専門のプロから副業カメラマン、趣味で始めて本格的に取り組むようになったアマチュアまで実にさまざまだ。
同氏は、「これまで自分の写真を売った事がないというカメラマンのために機会を提供したい。そしてそのためにはどういう写真が"売れる"のかを知ってもらう必要があります。例えば「iStock」を利用するユーザーが、どういった言葉で写真を検索しているのかを知る事が大事ですね」と語った。
いま最も人気のある写真は何かと尋ねると、「ファミリーの写真はよく売れます。家族との関わりなどが時代のキーワードとなっているのでしょう」とした後、「色鮮やかな写真や動物はテクノロジー系(TVやPCなどのデモ画面など)に使われますし、環境問題やビジネス関係のイメージ写真もかなり売れます」と具体例を列挙。また、同イベントの開催地である「日本」にちなんだニーズとしては、「寺や庭園などが中心ですが、最近では世界遺産にも登録された富士山や都心の高層ビル街なども人気ですね」とコメント。また、夜の工場や海上から撮影した都心など、なかなかアクセスできない場所の写真は競争率も低いため、そういった方向を狙うのも面白いという回答が返ってきた。
最後に、レベッカ氏は日本人の撮る写真が「世界」で売れているという事実を公開。クライアントは日本人だけじゃない。世界中の人が、あなたの写真をみているのよ、と、彼女はにやりと笑って言った。