仮想化ソフトと比較してどうなのか

さて、CrossOver Mac 12とMac上で動作する仮想化ソフトと比較してみよう。その大きな違いは、WindowsなどのOSが不要であることだ。その点、CrossOver Macは、動かしたいアプリケーションのみあればすむ。費用面などで大きなメリットになるだろう。また、パフォーマンス的にも、オーバーヘッドが少なく軽快な動作が期待できる。実際、いくつかのWindowsアプリについて試してみた印象では、ストレスを感じることはなかった。

そして、デメリットについてふれるとしたら、すべてのアプリが動作しない点であろう。前出の図1のようにネットジャパンでは、最新の動作情報を掲載しているが、ここにないアプリは動かないのか? CrossOver Macの開発元のCodeWeavers社では、ユーザーからの動作情報や動作させるための設定ファイルであるCrossTie(C4P)ファイル、使用方法などをまとめたWebサイトを公開している。まず、参考にしたいのは、日本語ソフトウェアのCrossTie(C4P)ファイル専用ページである(図11)。

図11: 日本語ソフトウェアのCrossTie(C4P)ファイル専用ページ

本稿執筆時点で、200以上が登録されている。また、海外も含めた情報は、図12を参照してほしい。

図12: すべてのCrossTie(C4P)ファイルが公開されているページ。金や銀のアイコンを使い、動作具合も示されている

ネットジャパンの紹介ページでは、CrossOver Mac 12のお奨めとして「普段はMacを使用しているが、仕事でWindowsアプリケーションのファイルを開く必要がある。でも、仮想環境を入れるほどでもない」をあげている。まさにこの通りであると思う。

上述のように確実性を求めるのであれば、仮想化ソフトにはかなわないかもしれない。しかし、このアプリだけが動けば十分というユーザーならば、目的は十分達成できる。また仮想化ソフトの場合には、アプリを使うには仮想マシンを起動するといった作業が必要になる。そんな手間が不要な点も指摘したい。仮想化を考える前に一考してもよいだろう。

ネットジャパンでは、体験版(提供ページへのリンクはこちら)も提供しているので、興味を持ったならば試してみてもよいだろう。