これに対してDirectStylusでは、タッチ検出がより高感度になったことで細いペン先が利用できるようになり、細い線もより正確に書けるようになったほか、ペン先と画面の接触面積を筆圧として検知することも可能だ。筆圧検知もできるタッチパネルとしては、イラスト用のペンタブレットなどに使われる電磁誘導式があったが、静電容量式に比べタッチパネルとペンの両方が高コストになるため、低価格のタブレットでは採用が難しかった。
また、これはTegra 4の発表時にも紹介されていたが、カメラのHDR撮影にもTegra 4のパワーが利用されている。露出の違う2枚の画像を重ね合わせることで逆光などの場面でも鮮明な記録が可能になるHDR撮影だが、2回の撮影を連続して行うため、撮影する風景の中に動くものが含まれていると二重に写ってしまうことがあった。Tegra Note 7では、シャッターが開いている時間の一部だけで露光時間の短い(露出の低い)別の画像を作り出し、元の画像とかけあわせることで、1回の撮影でHDRの効果を得ることができるようになっているため、HDR撮影時に動く被写体が含まれていても自然な画像を得られるようになっている。従来カメラのコントローラー側で行っていた信号処理の一部をTegra 4で行うことにより、このような機能が実現できたという。
モバイル機器市場では、3G/LTEモデム機能が統合されているQualcommの「Snapdragon」がより多くの採用例を獲得しており、NVIDIAはそれを追う側に回っているが、Tegra 4は先般発売されたマイクロソフトの「Surface 2」に搭載されるなど、明るい動きも見え始めた。本来メーカーの内部で利用され、表に出てくることのないリファレンスデザインを、あえてユーザー側にも見せる形で品質をアピールするTegra Note 7の試みが、タブレット市場にどれだけの影響を与えることができるか今後の推移が注目される。
(記事提供:AndroWire編集部)