高解像度写真の閲覧もなかなか快適
MobileLite Wirelessはそれ自体が無線LANのアクセスポイントだ。スマートフォンやタブレットから接続するときは、まずWi-Fi設定を開いて、SSID「MobileLite Wireless」を選ぶ。デフォルトではパスワードで保護されていないので、誰でも接続可能だが、WPA2を利用したセキュリティ機能やSSIDステルスモードも備えている。
次にApp StoreやGoogle Playストアで配布されている無料アプリ「Kingston MobileLite」をインストールして、起動する。MobileLite Wirelessを検出し、自動で接続されるので、ストレージを選んで、コンテンツにアクセスする。表示可能なファイルは、PDF、テキスト、写真、動画、音楽など。閲覧だけなら端末がサポートしているファイルは基本的に開けるし、またiOSなら共有機能を使って別のアプリへ送ることが可能だ。
実際に1,630万画素のミラーレスカメラで撮った写真や、自炊したPDFなどを開いてみたが、レスポンスも早く、なかなか快適だ。サイズの大きな写真やPDFなどは、表示されるまで少し待たされるが、いったん表示されれば、切り替えやスクロールをスムーズに行える。Wi-Fi非搭載のデジタルカメラで撮った写真を確認するような使い方(記録メディアをMobileLite Wirelessにセット)はもちろん、仕事で使うファイルや自炊したPDFをSDメモリーカードやUSBメモリに入れて持ち運べば、どこでも手軽に仕事環境を作れてしまう。
動画については、異なる動画でも同時に3台のデバイスへ送信できるのがウリだ。今回4台まで端末を用意して試したところ、低解像度(480×360ドット)のものなら、特に問題なく再生できた。ただフルHD解像度の動画は、2台のデバイスで再生しても途中で止まってしまったり、再生まで待たされたりということがあったので、動画によっては同時再生が難しいこともある。
なお、写真の場合は、接続したタブレットやスマートフォンからFacebookやTwitterへの投稿、電子メールの送信、カメラロールへの保存が可能だ。写真以外のファイルも、端末やほかのメディアへのコピー、電子メール、「開く」コマンドなどを実行できる。端末にコピーを作成すればオフラインで利用できるようになり、使い勝手はまさに外部ストレージそのもの。転送時間も短いので、クラウドを使うより大容量データの持ち運びに適している。
またMobileLite Wirelessはブリッジ機能を備え、接続しているタブレットやスマートフォンなどのデバイスを既存のネットワークに接続したまま本体を利用できる。設定画面で利用したいネットワークを選べば、設定が保存され、次回からはSSIDの切り替えなしに自動でインターネットが使える。
ただし、MobileLite Wireless接続中は、タブレット/スマートフォンで3GやLTEのデータ通信が利用できない。外出先などでインターネットに接続可能なWi-Fiネットワークがないときは、そのつどタブレット/スマートフォンのWi-Fiをオフにしてデータ通信に切り替えなければならない点は注意したい。
いざというときはモバイルバッテリとして使う
MobileLite Wirelessは1,800mAhのバッテリを内蔵している。実はこのバッテリを使って、スマートフォンやタブレットを充電することもできてしまう。使い方は簡単で、電源ボタンを一度押してすぐに指を離すと、バッテリバックアップ機能が有効になり、端末の充電を開始する。タブレットのバッテリを充電するには足りないが、スマートフォンなら50%以上の充電は見込め、いざというときに頼りになるだろう。
MobileLite Wirelessは、外出先で3G/LTEデータ通信ができないWi-Fiモデルのタブレットなどと組み合わせて使うのに便利だろう。価格は実売7,000円程度とリーズナブルで、手持ちのSDメモリーカードやUSBメモリがそのまま使えるというのがうれしい。内蔵ストレージの容量不足に悩んでいる方は、試してみても良いだろう。