――ご自身で監督を務めた映画『板尾創路の脱獄王』にも國村さんは出演していますが、「俳優・國村隼」の魅力とは?

大きい役も、小さいワンポイントの役も両方できる方。やりすぎない味のあるお芝居をされるので、監督という立場から考えても使いたくなる俳優さんだと思います。出会いは…30年近く前になるんですかね。大阪時代からの知り合いで、当時國村さんの事務所と吉本が一緒に仕事をしていたこともあって、ちょこちょこ会うようになりました。

――山寺さんと共演されていかがでしたか。

やっぱり、声はいいですよね(笑)。あとは、山寺さんがこれだけがっつりストーリーに絡んで実写映画に出ることはなかなかないと思うので、とても新鮮でした。それから、すごく真面目な方で。「迷惑かけると思うんですが大丈夫ですかね」とすごく気にされていました。やりすぎてないですかとか。全然そんなことなくて、一生懸命真面目に演じられていました。『おはスタ』もしばらく休んでたみたいですからね(笑)。

――監督もそうなんですが、映画では「果たせなかった思い」が描かれています。板尾さんご自身ではいかがですか。

どうでしょうねぇ。昔はろくなこと考えてなかったから、逆に果たせなくてよかったのかもしれません(笑)。こういう仕事をいろいろやらせてもらっているので、これが自分に合ってるんだなって思うし、天職やなと思うので…。子どもの時は、ロボットになりたかったりとか、改造人間になりたかったりとかありますけど、そういうことは子どもの思うことですから違いますし…。

――板尾さんの2作目となる監督作『月光ノ仮面』は、2012年公開でしたね。次回作はそろそろといった感じでしょうか。

はい、今ちょっと準備している作品があります。それは漫画が原作なんですけど。原作ものは今までやったことがないので、今までとは全然テイストの違うものになると思います。来年…遅くとも再来年くらいまでにはと考えています。

――お笑い芸人、俳優、そして監督とさまざまな立場で活動されていますが、気持ちや姿勢の面で違いはありますか。

あまり姿勢としての違いはありませんね。もともと芸人からドラマとか映画とか、いろいろな仕事をやらせていただいたので、意識を持ってやっていることはそんなにありませんでした。入り口は延長みたいな感じだったんですよね。俳優も映画監督も、考え方とか作り方とかはそんなに変わらないと思います。

――『釣りバカ日誌』のように、プログラムピクチャーの復権も視野に入れた今回の作品ですが、板尾さんから見ていかがですか。

せっかくなので、個人的にはもう何本かはやってみたいなとは思います。映画事情もなかなか大変なので、この時代に新しいことを切り開いていくのは、結構大変かなとは思いますけどね。

でも、それに値するものには出来上がっていると思います。あとは、世間の人にいかに楽しんでもらえるかということでしょうね。

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