記者団から日本市場のニーズ、について具体的に聞かれると「日本のユーザーは個性を大事にする。自分だけのオリジナルのものを好む傾向がある。しかし、あまり異質なものは受け入れにくい。ある意味、相反するそういった性格がある」と指摘した。
会場には、デザインに関してLGエレクトロニクスと連絡を密に取り合ったKDDI(au)商品統括本部の小牟田啓博氏(Kom&Co.Design代表)も出席した。なぜデザインコンセプトに水を選んだのか、との問いに小牟田氏は「水は普遍的なもので、かつ必要不可欠のもの。水のもつ心地よさにフォーカスした」と説明した。通常、スマートフォンのカラーバリエーションには寒色も暖色も揃えるのが定石となっている。しかしisaiではデザインコンセプトを第一に考え、敢えて暖色を用意しなかったという。デザイナーの強い意思が感じられるエピソードだ。共同開発により、LGエレクトロニクスのキャラクターを知ったという小牟田氏。その印象を「極めて真面目、スマートでクレバー」という言葉で表現した。
モバイルザッピングUX
LGエレクトロニクス MC研究所PRMデザインチームのキム・ナムギ氏からは、isaiスクリーンについての説明が行われた。デザインチームが開発のヒントにしたのは、テレビの視聴者がチャンネルを回して見たい番組を探す「ザッピング」という行為。これをスマートフォンのUXに落とし込んだものがisaiスクリーンだという。キム氏は、この新しいUXを「Mobile Zapping UX」という造語で表現した。
isaiスクリーンはどういった利用層を想定したものか、との問いにキム氏は「これによりエレベーターの待ち時間など、ちょっとした時間にも意味を持たせることができる。そういった意味では、全てのスマートフォンユーザーがターゲット層になっている」と回答した。
KDDI(au)側で対応した商品統括部プロダクト企画本部の山口昌志氏は、今回の共同開発について「これまでは、KDDIが端末の仕様を書いてメーカーに開発してもらっていた。しかし場合によってはお仕着せがましくなり、メーカー側のモチベーションにも悪影響を与えてしまうことがある。お客様に喜んでもらえる製品を提供するには、メーカーと一緒になって端末を開発していくことがベストのアプローチだと感じた」と語った。
KDDI(au)は、どのようにしてLGエレクトロニクスを説得したのだろうか。キム・ヒチョル氏によれば、発端となったのはUIを掘り下げた新しいタイプの端末を開発したい、というKDDI側の要求だったという。これについてのLGとKDDIの意見交換は8カ月にも及んだ。そしてホームスクリーンがisaiスクリーンとして誕生する頃には、端末の開発にかける両社の思いは一致していたという。記者団から「では、本当の意味でのコラボレーションが実現できたわけですね」と問われると、両社の出席者たちは笑顔でうなずいていた。
LGエレクトロニクスとKDDI(au)の共同開発により完成したisai LGL22。今回の座談会は、両社の強い思いが伝わってくるものだった。日本で発売が開始される日を楽しみに待ちたい。
(記事提供:AndroWire編集部)
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