一方、この時期にはさらに生産体制の拡充を発表している。
2006年1月には、尼崎にP4(第4工場)を建設すると発表したのに続き、2007年1月には尼崎にP5(第5工場)を建設することを発表。また、2007年5月には日立製作所とPDPの相互供給で合意し、提携関係を強化することを発表した。
また、プラズマテレビの組み立て拠点についても、2001年からに稼働している日本のほか、2003年には上海、2004年には北米、チェコ、2005年に台湾で稼働。さらに、2006年にはブラジル、2007年にはロシア、シンガポールでも組み立て拠点を稼働させている。
1,800億円が投資されて竣工したP4は、2007年6月から稼働。3期に渡って生産ラインが導入された。縦116m、横270m、高さ60mの6階建ての規模で、建屋面積は3万5,000m2、延床面積は19万m2。一般のマンションにすると20階建ての高さになるという。生産ラインでは、42型で8枚取り、50型で6枚取りが可能となり、月間50万台の生産体制を確立。第3工場に比べると、1.5倍の延床面積で、約2倍の生産能力を持つという。
これにより、既存の生産拠点を含めて、年間1,000万台の生産体制を維持できる体制が整うとした。なお、同工場の稼働に合わせて、P1は試作ラインへと役割を変えることになった。
2008年1月には、2008 International CESで、坂本俊弘専務取締役(当時)が基調講演したのにあわせ、世界最大となる150型4Kプラズマディスプレイパネルの開発を発表した。
「ゾウが原寸大で見られる」という表現が話題を集め、パナソニックブースには多くの人が集まったのが印象的だった。日本からラスベガスのCES会場に搬送したものの、150型の大きさでは、ジャンボジェット機の荷物室には一台しか搭載することができず、予備機を含めて3台の搬送に3便に分けて移送したという。
2008年9月には、世界初となる103型フルHD・3D対応プラズマディスプレイパネルを開発したのに続き、2009年5月には103型4KプラズマディスプレイパネルをNHK技研と共同開発。さらに、200年9月には、50型フルHD・3D対応プラズマディスプレイパネルを開発した。
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