ソニーが10月19日に発売した「SRS-BTS50」は、約10時間の長時間再生、防滴仕様など、アウトドア志向の強い製品だ。今回、SRS-BTS50をお借りしたので、Bluetoothスピーカーとしての使い勝手と、耐水性能についてもチェックしてみたい。
SRS-BTS50はポータブルタイプのBluetoothスピーカーだ。本体サイズはW175×D65×H70mm。500mLのペットボトルに近い大きさだ。防滴仕様だが、そのせいで特に大型化しているようには見えない。質量は約400gだ。
内蔵されているアンプの実用最大出力は2.5W×2。ファブリックで覆われているため直接見ることはできないが、φ39mmのフルレンジユニット×2が使用されている。キャビネットの方式はパッシブラジエーター式だ。
Bluetoothのバージョンは3.0で、プロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSP、SPPに対応。スマートフォンでのハンズフリー通話も可能だ。コーデックはSBCのほかにAACにも対応している。NFC(近距離無線通信)も採用されており、ワンタッチでペアリングや接続が可能だ。
SRS-BTS50のデザインは、純粋なオーディオ機器のイメージとは少々離れている。今回お借りしたのはブラックだが、そのほかにレッド、ピンク、ブルー、ホワイトの4色が用意されている。ブラックとホワイトは比較的落ち着いた配色なのだが、レッド、ピンク、ブルーはアウトドアグッズによくみられるようなカラフルな色使いだ。このようなデザインのため、SRS-BTS50の見た目には一種のガジェットっぽさがあるが、「SRS-BTV5」とは異なり、そのサウンドはしっかりと作りこまれたものだ。
「ノーマルモード」と「サラウンドモード」
SRS-BTS50では、DSPの信号処理により、2種類のサウンドモードを利用できる。サウンドモードの切り替えは、内蔵されている加速度センサーによって行われる。本体を正面に向けた場合には「ノーマルモード」、上を向けた場合には「サラウンドモード」となる。ノーマルモード、サラウンドモードという呼び名だが、これは普通の意味での「ノーマル」「サラウンド」とは少々異なっているように感じる。
以前、SRS-BTS50に近いサイズのBluetoothスピーカー「SRS-BTD70」のレビューを書いたことがあるのだが、ノーマルモードでのSRS-BTS50のサウンドは、2.1chを構成を採用しているSRS-BTD70に比べて、より引き締まったものだ。パッシブラジエーター方式と信号処理によるものなのだろうが、スピード感のある低域が印象的だ。アウトドア向けのデザインが採用されているSRS-BTS50だが、ノーマルモードのサウンドは、インドアで、しかもデスクトップなど、至近距離で音楽を聴く場合に適しているといえるだろう。
一方のサラウンドモードは、5.1chやフロントサラウンドシステムのような効果とは異なる。サラウンド、つまり音に囲まれるモードというわけではない。ノーマルモードが正面にストレートに音を出してくるのに対して、サラウンドモードは音を周囲に広げるモードだ。また、音色も異なり、ノーマルモードに比べるとやや刺激を抑えた感じになる。
コンパクトなBluetoothスピーカーで高音質を目指すと、ノーマルモードのようなサウンドになるのだろう。しかし、アウトドアで複数の人で音楽を聴くような場合には、サラウンドモードのほうが適している。もちろんサラウンドモードは、アウトドア専用というわけではない。インドアでも、BGM的に音楽を流しておきたいときには、こちらのモードのほうが向いている。
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