各作品のひと言コメント付きで採点した（3点満点）。ドラマ選びの指標にしていただきたい。
| 作品名・放映日時・放送局 | 出演者 | 寸評&採点 |
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『刑事のまなざし』 月曜20時～ TBS系 |
椎名桔平 要潤 小野ゆり子 | 丁寧かつ静かに捜査を進める刑事を椎名が好演。このところコミカルな役柄が多かったが、今回は深みのある演技を見せている。脇役も北村有起哉、松重豊、吉田羊など演技派ぞろいで安定感抜群。1話完結ドラマらしい残り10分でのカタルシスがあり、さらに椎名の家族をめぐるミステリーも見どころの1つに。 【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】 |
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『海の上の診療所』 月曜21時～ フジ系 |
松田翔太 武井咲 福士蒼汰 | 医療ドラマに、離島モノの人情、さらに松田がフラれ続けるという寅さん的お約束を織り交ぜたてんこ盛りドラマ。『Dr.コトー』と比較されるのは織り込み済だろうが、恋愛に寄せた分、医療・島民エピソードともに薄味に。海の美観はいいが、キャスト、鉄拳も含めて『あまちゃん』満載で、連発される小ネタも不発。 【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆】 |
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『ミス・パイロット』 火曜21時～ フジ系 |
堀北真希 相武紗季 斉藤工 | 鉄板人気の航空業界ドラマ。しかもありそうでなかった女性パイロット作であり、『梅ちゃん先生』以来となる堀北主演など好条件がそろう。ANA全面協力の迫力ある航空映像に加え、厳しい訓練、「落第したらアウト」のドキドキなど見どころは多く、天真爛漫な堀北と、気が強い相武など適役が目立ち、見やすい作品に。 【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆☆】 |
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『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』 火曜22時～ フジ系 |
錦戸亮 倉科カナ 知念侑季 | 幽霊、宇宙人の次は陰陽師。フジの火曜22時は、またも飛び道具。扱う悩みが商店街内の小スケールだけに、「元No.1ホストの占い師」という難役に挑む錦戸の魅力にかかっている。初回は「巧みな話術で解決」のテーマに到達していなかったが……。宮川一朗太、濱田マリ、ふせえりの商店街メンバーは何気に面白い。 【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】 |
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『相棒season12』 水曜21時～ テレ朝系 |
水谷豊 成宮寛貴 鈴木杏樹 | シリーズ12作目も盤石。水谷と成宮のコンビも2作目に入り、やり取りに違和感がなくなってきた。レギュラー刑事をいきなり辞職させるなど攻める姿勢は相変わらずで、マンネリを頑なに拒んでいる。初回は2時間9分のロング放送にして、『リーガルハイ』『ダンダリン』の視聴率を食うなど、その存在はやはり別格。 【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】 |
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『ダンダリン 労働基準監督官』 水曜22時～ 日テレ系 |
竹内結子 松坂桃李 北村一輝 | 時代性の高いブラック企業をテーマに選び、『半沢直樹』に次ぐ人名タイトルで「骨太な作品か」と思っていたところ、重厚どころかコメディ要素が満載。竹内はショートカットにしてまで臨んだ作品だが、変人ぶりがハジけ切らず、役作りに悩みがうかがえる。「ウ～ッ」のうめき声、ほふく前進など子どもっぽい演出が目立った。 【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】 |
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『リーガルハイ』 水曜22時～ フジ系 |
堺雅人 新垣結衣 岡田将生 | テレビ賞を総ナメにした名作の続編。『半沢』の影響か、堺のキャラ演出は前作以上でやりすぎと紙一重に。岡田や小雪らの新キャストを起用した分、対決の図式は弱まったが、いきなり古美門の不敗神話が途切れるなど、飽きさせない構成は健在。古沢良太の脚本だけに予定調和の結末はなく、最後まで目が離せない。 【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆☆】 |
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『科捜研の女』 木曜20時～ テレ朝系 |
沢口靖子 内藤剛志 若村麻由美 | シリーズ13作目。これまでは年1回ペースだったが、今年は2回目の放送となるだけにファンの支持は厚い。今シリーズの変化は、新キャラ・鑑識課長との対立。科捜研vs鑑識は新鮮な図式だが、視聴者にはその違いが分かりにくかったかも。ただ、金田明夫の憎まれキャラは、沢口の凛とした美しさを引き立てる。 【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】 |
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『夫のカノジョ』 木曜21時～ TBS系 |
川口春奈 鈴木砂羽 田辺誠一 | 年に1～2本レベルで量産される定番の入れ替わりモノ。今作は20歳のOLと39歳の主婦で、入れ替わりは老婆の仕業だった。入れ替わりモノの見どころと言えば、ヒロインのギャップ演技だが、川口の主婦キャラはセリフまわし、仕草ともに消化不良。初回は鈴木砂羽の独壇場だっただけにドラマの出来を左右しそう。 【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】 |
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『ドクターX ～外科医・大門未知子』 木曜21時～ テレ朝系 |
米倉涼子 藤木直人 西田敏行 | 1年ぶりの第2弾も米倉の破天荒ぶりは健在。「リアリティよりエンタメ」という『DOCTORS2』の路線を継ぎ、パワーアップした印象だ。西田敏行、三田佳子、岸部一徳、遠藤憲一らの濃い演技は、『半沢』大ヒットの時流に合い、「失敗しませんので」「御意」のフレーズも含め、今クールの大本命。藤木との恋はあるか? 【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】 |
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『独身貴族』 木曜22時～ フジ系 |
草彅剛 北川景子 伊藤英明 | 今さら感の強いタイトルに加え、偏屈な社長、女好きでお調子者の弟、夢見る田舎娘というキャラ造形、映画制作会社という舞台設定など「ひと昔前のドラマ」の印象が……。女性視聴者の多い枠だが、独身の理由に踏み込まず苦戦必至か。草彅と伊藤の兄弟に無理があるものの、話が長い令嬢役の平岩紙はいい味わい。 【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】 |
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『家族の裏事情』 金曜20時～ フジ系 |
財前直見 沢村一樹 谷村美月 | 新ドラマ枠1弾は、ターゲットの主婦層に合わせた家族モノ。「家族3世代全員がウソをつき、秘密を抱えている」という設定だが、初回ではほぼインパクトなし。エピソードの強さでは昼ドラに勝てないだけに、毒と笑いをどう添えていくか。朝ドラと掛け持ちの財前と、エロ男爵封印の沢村の夫婦は、カメラ映えする。 【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】 |
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『刑事吉永誠一 涙の事件簿』 金曜20時～ テレ東系 |
船越英一郎 小泉孝太郎 | 過去12作放送された2時間ドラマを連ドラ化。船越の相棒に、前クール『名もなき毒』が好評だった小泉を起用するなど、新枠にふさわしい意気込みを感じる。「事件の裏には人々の涙がある」というコンセプト通り、見どころは船越の泣き演技。刑事ドラマが多様化しすぎた中、奇をてらわない王道で中高年をガッチリ。 【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】 |
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『クロコーチ』 金曜22時～ TBS系 |
長瀬智也 剛力彩芽 渡部篤郎 | 「今さら3億円事件?」と思うことなかれ。当時から続く巨悪がいて、それを退治するのが極悪刑事という斬新な展開が用意されている。剛力の失禁や全裸死体などブッ飛んだ演出は特筆モノで、最後までサスペンスを楽しめるのは間違いなさそう。地味なテーマとキャストへの不安で視聴率は低いが、見て損はない作品。 【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆☆】 |
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『都市伝説の女』 金曜23時15時～ テレ朝系 |
長澤まさみ 溝端淳平 竹中直人 | 第2弾は長澤演じる月子がFBIから帰国し、『非科学事件捜査班』を立ち上げ、ますます堂々と都市伝説を調べる。「長澤を見るためのアイドルドラマ」の立ち位置を自負してか、美脚披露は前作以上。ただ、「美貌で人たらし」という設定ほどの特化はなく、今後振り切っていけるか。大久保佳代子の起用は余裕の表れ。 【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆】 |
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『東京バンドワゴン 下町大家族物語』 土曜21時～ 日テレ系 |
亀梨和也 多部未華子 玉置浩二 | 古き良き日本を思わせる大家族モノで、土曜夜の親子視聴に最適。亀梨&多部の同枠主演コンビに玉置をぶつけたキャスティングは意欲的だが、家族に見えないキャストたちが、今後どんな家族愛を見せられるのか。玉置の決めゼリフ「LOVEだねぇ」はキャラそのまま。地味なテーマだけにガンガン歌わせた方がいい気が。 【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】 |
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『ハニー・トラップ』 土曜23時10分～ フジ系 |
AKIRA 小澤征悦 仲間由紀恵 | 「壮大な復讐劇」というくくりでは『半沢』と同じだが、「産業スパイ」がテーマだけにハメられたAKIRAが責められまくる。拉致され、水に顔を突っ込まれ、上司に罵倒され、父親を殺され……ただ、その分アクションは爽快感十分。場面展開が強引で説明不足なのと、AKIRAのあからさまな裸アピールは気がかり。 【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】 |
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『安堂ロイド ～A.I. knows LOVE?』 日曜21時～ TBS系 |
木村拓哉 柴咲コウ 大島優子 | 「時空を超えた究極のラブストーリー」と壮大なテーマだが、その実態はアンドロイド同士のバトル。見方が難しい作品だが、笑いなしでド真面目に描くという点では『半沢』と同じだけにSF系が嫌いなければ……。人気者をかき集めたキャストも含め、挑戦というより、枠の固定客を放置した暴走で危険度MAX。 【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】 |
木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ評論家、タレントインタビュアー。1日のテレビ視聴は20時間（同時視聴含む）を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴する重度のウォッチャー。雑誌やウェブにコラムを提供するほか、取材歴1000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書は『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。
