MNPの純増数が24カ月1位、解約率も業界最低水準の0.67%を維持しており、順調にユーザー数が拡大している。
固定とモバイルを同時に契約することで料金を割り引くauスマートバリューの契約数も増加。モバイルは540万、世帯数は286万となり、1世帯当たりのauユーザーが1.89まで増加。auユーザーの拡大に貢献した。
コンテンツサービスなどの収益を示す付加価値ARPUは全体で440円と拡大。auスマートパスが順調で、9月末で799万契約に達した。
田中社長は、「au 4G LTEの総合力」を強化することで差別化を図る考えを示す。800MHz帯の「断トツのネットワーク」(同)をベースに、端末、料金、サービス、サポートの各項目をさらに強化し、収益の拡大を目指す。
ネットワークでは、800MHz帯のLTEは、全国で下り最大75Mbpsに対応し、実人口カバー率は98%まで達した。2.1GHz帯は37.5~150Mbpsの高速通信にも対応し、現時点で同78%、2013年度末で80%以上をカバーすることを目指す。
提供端末では、冬商戦向けにiPhone/iPadに加え、Android製品7機種を用意し、スマートフォンからタブレットまで幅広い端末を用意。さらにグループのUQコミニュケーションズが10月31日に開始する高速通信サービスWiMAX 2+に対応した端末も提供する。
料金では、auスマートバリューの提携事業者をさらに拡大。固定回線を持たない単身世帯向けに、WiMAX 2+対応モバイルルーターと組み合わせられるプランも用意する。
サービスでは、これまでコンテンツ中心に提供していたauスマートパスでリアル店舗と連携したO2Oサービスを展開。サポートサービスについては、auスマートサポートにイベント参加型スマートフォン教室を追加するなど、内容を強化する。
田中社長は、第4四半期に通信ARPUを対前年同期比で反転するという目標に対して「急速に改善していて、非常にいい結果が出ている」と強調。ネットワークとして800MHz帯のLTEを主力に、「競争力の強化を続ける」(同)意向だ。年間目標への進捗率も順調で、「16年3月期まで、毎期連続営業利益2ケタ成長」という目標についても「順調な進捗」とアピールしている。
好調な業績の中で成長するauスマートパスだが、田中社長は、販売店においてコンテンツやサービス、端末との抱き合わせ販売が行われているという指摘があることに対して、「(そういった)指摘を受けているのは存じ上げている」とコメント。「スマートパスなどは、1カ月無料で利用でき、加入して気に入らなかったら解約できるのに、逆のように説明しているということも聞いている」。
それに対し、「店頭での改善を進めており、(auスマートパスなどが)オプションサービスであるということを徹底していきたい」と田中社長。「あくまで(1カ月無料は)お試しで、ダメなら(気に入らなければ)解約してもらう。(端末購入時の)必須条件にするのは決して許されるものではないので、(販売店に)指導を進めていきたい」としている。
また、会見後に取材陣に対し、田中社長は「iPadの下取りを行う」と話しており、iPhoneに加えて、無線LAN版も含むiPadについても下取りサービスを、今後提供することを明らかにしている。