レンズ交換式モデルとしてはエントリー向けのX-A1は、センサーこそ通常のAPS-CサイズCMOSセンサーだが、EXR プロセッサーIIを搭載。「画質と機動性」というコンセプトはそのままに、低価格化を図った。
XFレンズによる高画質、肌色の再現性、スーパーiフラッシュ、フィルムシミュレーションなどの機能は上位機種と同等で、「中身にこだわった入門機」(同)と位置づける。
X-E2、XQ1を含め、無線LANを内蔵し、スマートフォン(iOS/Android)アプリと併用することで、撮影画像の転送が可能。リモートコントロールの機能はない |
入門向けということで、新たに望遠ズームレンズ「XC50-230mm F4.5-5.6 OIS」とのダブルズームレンズキットも用意する |
コンパクトデジカメのXQ1は、「Quality & Quickness(画質と機動性)」の頭文字を取ったという型名で、コンパクトデジカメとしては大型の2/3型X-Trans CMOSセンサーを採用。像面位相差AFセンサーによる高速AF、開放F値F1.8という明るいレンズ、フルメタル外装ながら206gという軽量ボディ。
AFは0.06秒、起動時間は0.99秒、撮影間隔は0.3秒、シャッタータイムラグは0.015秒など、機動性にもこだわり、ミラーレスカメラや一眼レフカメラのサブカメラとしても訴求する。
昨今はスマートフォンに押されてデジカメ市場が縮小しており、今年上半期は、特にコンパクトデジカメは台数ベースで対前年比50%まで悪化。平均売価は同111%と、付加価値を付けた価格の高いカメラが売れている。レンズ交換式カメラも台数ベース同82%と、こちらも落ち込んでいる。そうした中、同社のXシリーズは、コンパクトデジカメで同133%、レンズ交換式で同340%と売り上げを伸ばしている。
田中氏は、スマートフォンによってコンパクトカメラ市場はさらに縮小すると見ており、低価格モデルからは撤退し、付加価値を付けたモデルに注力する方針を示す。同社はスマートフォン向けカメラモジュールで「数%」(田中氏)のシェアだが、今後はこちらを強化していく考えだ。
伸びているレンズ交換式に関しては、「画質と機動性」のコンセプトを追求したモデルを今後も投入。現在9本のレンズラインナップに対して、今年度中に3本を追加。来年度にさらに拡充することで、製品の魅力を向上させていきたい考えだ。
また、入門機のX-A1を投入することで裾野を広げ、現在5%程度の台数シェアに対し、これを今年度中に10%まで引き上げたい考えを示している。