富士フイルムは10月18日、レンズ交換式カメラ「FUJIFILM X-E2」などの新製品発表会を開催した。X-E2をはじめとする「Xシリーズ」は、「画質と機動性」というコンセプトを実現することを目指したカメラだという。
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富士フイルムは、今年6月の組織改編で光学・電子映像事業部を設立。今回の発表は同社の取締役 執行役員兼光学・電子映像事業部事業部長・田中弘志氏いわく、同事業部にとっては「初めての発表会」になる。
その最初の製品の1つとなるX-E2は、APS-Cサイズの独自センサー「X-Trans CMOS II」を搭載したレンズ交換式カメラ。プレミアムカメラとして位置づけられ、高画質化を追求した上位機種となる。「X-A1」は、APS-CサイズのCMOSセンサーを採用したエントリー向けのレンズ交換式カメラ。Xシリーズとして高画質を追求しつつ、より低価格化を図った。
コンパクトデジカメ「XQ1」は、高級コンパクトデジカメに位置づけられ、コンパクトながら2/3型の「X-Trans CMOS II」センサーを搭載するなどして、高画質を目指した製品。
田中氏は、Xシリーズのコンセプトとして「画質と機動性」をあげる。「映像に対するこだわりが非常に強い」(同)同社であり、Xシリーズではとにかく高画質化を追求した。APS-Cサイズのセンサーを採用しているが、田中氏は「フルサイズと同等、場面によってはそれ以上という画質」を実現したと胸を張る。
この画質に加え、フルサイズ一眼レフカメラのような大型ボディではなく、本体サイズを小さく、軽量で、ミラー音がなく静かに撮影できる、といった点を「機動性」と表現し、画質に加えてこの機動性を実現したのがXシリーズだという。
X-E2は、位相差AFセンサーを備えたCMOSセンサー「X-Trans CMOS II」センサーの採用で、0.08秒という高速AFを実現。これによりAF速度は、例えば「XF14mmF2.8」では75%、「XF18mmF2」では67%のの短縮化が実現するなど、さらなるAFの高速化を達成した。センサー内に多くの位相差AFセンサーを搭載し、センサーの集光率が高いため、暗いシーンでも高速なAFが可能な点もアピールする。
画像処理エンジンは「EXR プロセッサーII」となり、同事業部営業部統括マネージャー・飯田年久氏は「あらゆるレスポンスを向上した」と語る。連写枚数は7コマ/秒、起動時間は0.5秒、撮影間隔は0.5秒、シャッタータイムラグは0.05秒、書込速度は1.6倍と、いずれも高速化している。
センサーとエンジンの組み合わせにより画質も向上。他社フルサイズ機に迫る高いS/N比と高解像感を達成している、という。さらに独自の「点像復元技術」を搭載。絞りを絞ったときに現れる回折現象によるボケを解消し、画質を改善する仕組みで、ローパスフィルターレスのセンサーとともに、同社の高画質化技術のキーテクノロジーとされている。
センサーやエンジン、それにともなう高画質化などは、すでにXシリーズの高級コンパクトで搭載されているが、これをレンズ交換式カメラに初めて搭載。特に点像復元技術は、レンズごとの情報を元にソフトウェア的に補正する技術だが、今回は各XFレンズでこの効果を得られるようにした。
「解像度とS/N比は画質のほんの一部。画質はもっと奥が深い」と飯田氏。切れとボケ、立体感といった要素で、高感度撮影時にノイズを消しつつ質感やディテールを残すような処理にすることで、「空気感やストーリーを残す」(飯田氏)という画質の実現を目指した。
そのほか、位相差AF用センサーを使ってMFをしやすくする「デジタルスプリットイメージ」や「フォーカスピーキング」といった機能も搭載。操作性を改善するために、シャッタースピードダイヤルなどのデザインを改良するなどの変更も行っている。
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