スタートメニューに用意された検索ボックス(以前はクイック検索と呼ばれていた)からは、ファイルはもちろんプログラムの検索も可能だ。あらかじめインデックスを作成して検索速度を向上させるロジックは、Windows 8以降もそのまま残されているが、主に検索チャームを利用しなければならなかった。Classic Shell 4.0はユーザーからのフィードバックにあった、"Windows 7ライクに使いたい"という声に応えるため、同機能を再現したという。この他にも"最近開いたプログラム"の表示や強調表示なども再現された(図05)。
また、エクスプローラーのコンテキストメニューには、独自項目として<スタートメニューに表示する>を加えている。同機能が存在しない場合、ユーザーが手動で%APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programsフォルダーや、%ProgramData%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programsフォルダーにショートカットキーを追加しなければならないことを踏まえると、同機能を加えたのは評価に値するだろう(図06)。
Classic Shell 4.0の設定を行うSettings for Classic Start Menu 4.0.0ダイアログには、新たに検索ボックスが加わっている。これは、設定項目名に含まれる単語を入力することで、設定項目を絞り込み表示するというものだ。以前からClassic Shellは設定項目が多数用意しているため、柔軟なカスタマイズを可能にしているのは有益だが、肝心の設定項目を探し出すまでが一苦労だった。この問題を解決するために本機能を追加したのだろう(図07)。
同ダイアログには<Customize Start Menu>タブを新たに設け、スタートメニューの右側に表示する各項目の取捨選択を可能にしている。これは、Windows 7の[スタート]メニューのカスタマイズダイアログに相当し、項目を単に表示するかメニューもしくはリンクとして表示するか選択するというもの。各コマンド(項目)もドロップダウンリスト形式で選択できるため、同メニューに並べる項目の入れ替えや整理も行える(図08)。
同ダイアログの<Show all settings>にチェックを入れると、隠されていたタブが現れ、より細かい設定が可能になる。バージョン4.0.0の新機能として、言語ファイルをダウンロードしてインストールする機能が備わっているが、執筆時点で用意されているのはフランス語/ロシア語/ブルガリア語/韓国語のみ。残念ながら日本語は、限られたごくわずかな部分だけ翻訳された状態だ。開発者向けフォーラムでは、各国の翻訳ユーザーを募集しているので、腕に自信がある方は是非チャレンジしてほしい(図09)。
なお、目に見えない部分では以前のジェネラルリリースバージョンとなる3.6.8と比較して、パフォーマンスと応答性を改善しているという。今回仮想マシンや実機にClassic Shell 4.0をインストールして動作検証を行ったが、最初から当たり前のようにスタートメニューが存在しているような錯覚を覚えるほど、違和感なく動作した。[Win]キーを押せば瞬時にスタートメニューが現れるなど、確かに以前のバージョンよりも応答性が高まっている。今回は検証していないが、Windows 8上でClassic Shell 4.0を利用する際は、信頼性の高い方法で起動するという変更点も加わった(図10)。
Microsoftが今後の市場を鑑みて、キーボードレスのタブレット向けUIを強化するのも理解できるが、従来のコンピューターを使い続けるユーザーにとってスタートメニューは、やはりあると便利な存在である。スタートメニューおよびプログラムメニューを理由にWindows 8/8.1へのアップグレードを躊躇(ちゅうちょ)しているユーザーは、是非本ツールを使って多くの機能を備えた新OSに移行することをお勧めしたい。
阿久津良和(Cactus)