「通信学習」に対するイメージは?

最後に、「通信学習」に対するイメージを聞いてみました。すぐにやめられるという、ある意味ネガティブなイメージもありますが、「自由に勉強できる」「通学に時間がとられない」「受講料が安価」など、そのメリットが感じられるという回答も多く見られました。

スマホやタブレットを使って、いつでもどこでも授業が受けられる

今回は特別ゲストとして、資格事情に詳しい「資格の学校TAC」の宣伝企画部 三柴陽一郎さんに、このアンケート結果について実情を伺ってみました。

――「自己投資にかけてもいい金額」について、3万円以下が7割弱を占める結果となり、「学校選びで重要視するポイント」についても価格が1位となりました。厳しい懐事情の中で、なんとか自己啓発したい意識が浮かび上がる結果となりましたが、一方で「学校選びで重要視するポイント」について「交通の便」「授業の時間帯」「テキストのわかりやすさ」などにも票が集まっています。専門家から見た「学校選びのポイント」とは何でしょうか?

「ダブルスクール」という言葉もあるように、会社や学校に行きながらスキルを磨くということになります。そのため「会社や学校帰りに通えるのか?」「週末に自宅から通いやすい場所にあるのか?」という点は、みなさん気がかりな要素のようですね。そして「学校の雰囲気」が上位に挙がりました。これは、やはり一定期間学校に通うわけですから気にされるのでしょう。どの学校も1回目の授業は無料で開放していたり、説明会も実施しています。これらを利用して、まずはご自身の目で確かめてみるということをオススメします。

――「学習するときに重視する条件」として「時間を選ばない」が2割を超えて1位を獲得しましたが、一方で「教材の内容」「学習効率」など内容面についても注目が集まりました。ご覧になられた感想はいかがでしょうか?

「時間を選ばない」というのは先程の質問と重複しますが、なかなかまとまった学習時間の確保が難しい中では、昼休みや通勤・通学途中などの細切れの時間を利用したい、という方が多いということでしょうね。復習や理解しづらい論点の確認などは、細切れの時間内で十分にフォローアップできます。「教材の内容」や「学習効率」という回答は、やはり学習するならば、ちゃんと合格したいという想いからなんだと思います。特に社会人の場合は、勉強から離れて久しく時間が経っていると思いますので、心配でしょうね。

――「どんな分野のスキルを高めたいか」については語学系が1位を獲得しました。これについてはどう思われますか?

「語学」は言い換えれば「ツール」なんです。外国の方とコミュニケーションをとるためのツール。特に英語は小学校の授業としてもとり入れられていますし(私のころはなかったですが…)、世界の共通言語となっています。

英語ではTOEIC(R)が人気ですね。230万人(2012年度)の受験者数で、年々人気や注目度も上がっています。

――「通信学習に対するイメージ」は「リタイアしやすい」というネガティブなものが1位となりましたが、一方で「学習するときに重視する条件」で1位を獲得した「時間を選ばない」と、通信学習との親和性は高いと思われます。専門家から見た通信学習のメリット、また通信学習を利用・選定するうえでの注意点は何でしょうか?

ひと昔前の「通信学習」のイメージは、確かにテキストと添削問題だけが送られてくる、いわゆる"独学"のイメージが強いという方も多いんだと思います。今はインターネットを利用して、教室講座を収録した動画をPCやスマホ・タブレットで見ながら学習できる時代です。

学習効率や効果については、通学する場合と差はありません。一方で「時間を選ばない」「自由に学習できる」などの通信学習のメリットも健在ですので、通学がなかなか厳しい場合は、通信学習という選択肢もぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

スキルアップのための学習には、自身が置かれている環境に合わせた方法を選べるのがベスト。学習というと学校に通わなければと思いがちだが、最近ではネットやDVDを利用し、好きな時間、好きな場所で学習できるスタイルの講座も増えています。自分にピッタリの方法を見つけて、この秋から"自分磨きの学び"をスタートさせてみてはどうでしょうか。