2013年カラリオ製品戦略

次いで、セイコーエプソン 取締役 プリンター事業部長の久保田孝一氏が登壇し、製品戦略について説明した。久保田氏は、2013年カラリオ製品戦略として3つのキーワード「多様な印刷に対応」「どこにでもおける」「どこからでも印刷できる」を掲げる。

セイコーエプソンの久保田氏(写真左)は、2013年カラリオ製品戦略として3つのキーワードを掲げた(写真右)

エプソンではユーザーアンケート以外にも、同社で運営している「それいけ写真隊」などのユーザーイベントを通して、現場で生の声を聞くことを大事にしているという。その結果、「家に置けるサイズのA3複合機が欲しい」というニーズがあることが分かった。今回発表したEP-976A3は、5年前のエプソン製品「EP-801A」よりサイズが小さいにも関わらず、A3サイズまでの印刷を可能とした(0.6mmの厚紙にも対応)。A3写真は3分弱で印刷可能だという。

家に置けるサイズのA3複合機が欲しいというニーズに応える製品として、EP-976A3を開発した

EP-976A3は、A3原稿のスキャンにも対応する。原稿台はA4サイズだが、A3原稿を3つの範囲に分けて読み取り、ソフトウェアで合成する(発表時点ではWindowsのみ対応)。

また、6種類の新フィルターによって写真の色味調整が簡単になり、4種類の新フレームを使って手軽にオシャレな写真を印刷できるようになった。これらの機能により、EP-976A3は「多様な印刷に対応」した複合機に仕上がっている。写真愛好家のみならず、ファミリーユーザーも便利に使えて、またビジネスシーンでも活用できる汎用性の高さが売りだ。

多様な印刷に対応するEP-976A3。幅広いターゲット層に訴求できるフラッグシップモデルとなっている

今回発表された新製品は、小型エンジンを搭載してフォトモデルのラインナップを統一したことで、本体サイズの小型化に成功している。また、全機種が無線LANに対応しており、離れた場所に置いてもコードレスで印刷できる。以上、2つの特長によって「どこにでもおける」を実現させた。

小型エンジンでフォトモデルのラインナップを統一。無線LANでワイヤレス印刷できるので、どこに置いても便利

印刷はスマートフォンからも行える。iOS/Android端末からプリンタを操作できる「Epson iPrint」アプリや、スマートフォンの写真を活用したプリントが可能な「Epson Creative Print」アプリなどを提供。このほか「メールプリント」「スキャン to クラウド」など便利な7つのツールを用意しており、「どこからでも印刷できる」機能性を実現させている。

7つのツールにより、どこからでも印刷できるようになっている

カラリオの販売戦略

エプソン販売 取締役 販売推進本部長の中野修義氏からは、カラリオの販売戦略について説明があった。同社では2013年の年末商戦について、インクジェットプリンタ全体のシェアで50%を目指し、A3以上のインクジェットプリンタでもシェア50%を目指す考えだ。

エプソン販売の中野氏(写真左)。年末商戦の目標シェアを50%に定める

エプソンでは「あなたは"自宅"または"自宅兼職場"でA3/B4サイズの用紙での印刷をどの程度、必要とすることがありますか」という質問を実施。その結果、「半年に1回以上」と回答するユーザーが52.1%もいることが分かった(2013年エプソン調べ)。このことから、A3サイズの用紙で印刷できるEP-976A3は、ファミリー / 持ち帰り仕事 / 写真愛好家といった広い層をターゲットに販売展開する。

フラッグシップモデルのEP-976A3では、ファミリー / 持ち帰り仕事 / 写真愛好家といった広い層がターゲット

スマートフォンからの写真プリント枚数が増加した結果、プリンタ/複合機から出力される写真の3枚に1枚は、スマートフォンからの印刷になっているという。今後もこうした傾向は加速すると見込んでおり、エプソンではスマートフォンとの連携機能を強化する。そのひとつが、SNSからの印刷機能。LINEの写真をカラリオプリンタ/複合機で簡単にプリントできるほか、Facebookの写真も日付/コメント/写真のURL(QRコード)付きで印刷できる。年賀状の印刷もスマートフォンから可能だ。

LINEの写真を、おなじみのキャラクターと一緒に印刷することが可能

Facebookの写真も印刷できる。また、年賀状もスマートフォンから印刷可能

キーボード付きプリンタ「カラリオミー E-804」に関しても、年末商戦の販売目標をシェア50%に定める。同シリーズでもスマートフォンとの連携を強化するため、専用アプリの提供などを行う。コミュニケーションワードは「年賀状づくり、これ1台」。文字通り、これ1台で年賀状が作成できる、というのが製品の最大のアピールポイントとなっている。

カラリオミーに関しても、シェア50%を目指す。エプソンダイレクトショップでの販売価格はE-840は54,980円、E-370W/Pは17,980円。発売日は9月19日を予定

「年賀状づくり、これ1台」をコミュニケーションワードに、1台で年賀状が作成できる特長をユーザーに訴求していく

忽那汐里さんが登場

忽那汐里さんが登場。新製品をアピールするとともに、新CMの紹介を行った

記者発表会では、最後に女優の忽那汐里さんが登場。司会者からカラリオ新製品について聞かれると、「コンパクトなので、家のちょっとしたスペースに置けますね」とコメントした。

新CMでは、A3サイズのプリント能力にちなんだ「エイさん」(A3)と、小さい製品サイズにちなんだ「ちいサメ」(小さめ)が忽那さんの家に同居している、という設定。この2つのキャラクターについて聞かれると、「かわいいですよね。動きも愛らしくて癒されます」と笑顔を見せた。エイさんはLINEスタンプも用意されており、忽那さんも「皆さんにも楽しんでいただけたら」と紹介していた。

エイさんはLINEスタンプも用意されている(写真左)。エイさんとちいサメに囲まれる忽那さん(写真右)

普段は「ひとりで見通しの開けた場所に行って、写真を撮ることが多い」という忽那さん。カラリオの印刷品質の高さに期待しているという。「簡単にA3サイズが出力できます。今まで以上に本体サイズが小さめになって、写真も鮮明。家でもお仕事でも活用していただける製品です」と新製品をアピールしていた。

忽那さんは、高画質にA3サイズをプリントできる新製品に期待感

フォトセッションでの様子

新CMダイジェストフォト

エイさん編(クリックで拡大とスライドショー)

ちいサメ編(クリックで拡大とスライドショー)