それではベンチマークで両製品の性能を比較してみたい。ただ前ページで示した通り、今回調達したVAIO Pro 13とVAIO Duo 13の基本スペックはほぼ同一で、SSDのメーカーだけが異なっている。

ならば比べる必要はないのではないか……と思うかもしれないが、両者には「冷却性能」という目に見えにくい性能差がある。より過酷な運用に耐えるのはどちらの製品かをチェックしてみたい。

まずは総合性能として、エクスペリエンス・インデックスを比較する。CPUやメモリのスコアは同じだが、VAIO Pro 13はグラフィックが微妙に低く評価されているかわりに、ストレージが高評価となっている。  

Windowsエクスペリエンス・インデックス

VAIO Pro 13 VAIO Duo 13
プロセッサ 6.9 6.9
メモリ 5.9 5.9
グラフィックス 5.6 5.8
ゲーム用グラフィックス 6.5 6.5
プライマリハードディスク 8.1 7.8

エクスペリエンス・インデックスによる評価(左VAIO Pro 13、右VAIO Duo 13)

上記のテストによると、グラフィックスの差がわずか0.2ポイント、ストレージの差が0.3ポイント。誤差といってよいレベルだが、もう1つの総合ベンチマーク「PCMark7」でも評価してみる。

PCMark7は、VAIO Duo 13の方が総合スコアで高得点を獲得(上VAIO Pro 13、下VAIO Duo 13)。

■ PCMark 7
VAIO Pro 13 VAIO Duo 13
PCMark score 4355 4456
Lightweight score 3231 3192
Productivity score 2474 2462
Entertainment score 3158 3158
Creativity score 8055 7980
Computation score 10966 11098
System storage score 5188 5086
Raw system storage score 4862 4354

エクスペリエンス・インデックスではVAIO Pro 13のストレージが高評価されていたが、ここでもそれが「System storage」「Raw system storage」スコアの違いで確認できる。しかし「Computation」や「Entertainment」などのCPUやGPUの馬力まわりでは、VAIO Duo 13の方がわずかに高パフォーマンスであると評価されている。

どちらの数値も誤差と言ってもよい程度の差だが、「CPUはVAIO Duo 13が優勢で、ストレージはVAIO Pro 13が優勢」という結果を、別の角度から検討してみる。

まずはストレージ性能の差がどの程度か「CrystalDiskMark」で追試する。両機種のテスト結果を見てみると、VAIO Pro 13のSSDはシーケンシャル・ランダム問わず書き込みが速い(もちろん、実際の製品に搭載されるSSDが今回のテストと全く同じものが搭載される保証はないが…)。

「CrystalDiskMark」によるテスト。条件は1000MB×5、ランダムデータを使用(左VAIO Pro 13、右VAIO Duo 13)

参考までに「CrystalDiskInfo」を利用した、各マシンの搭載SSDの詳細データも掲載する。型番を見るかぎりVAIO Duo 13のSSDは、サムスン製のTLCタイプのNANDフラッシュメモリを採用した「840」によく似たSSDと推測できる。

「CrystalDiskInfo」による搭載SSDのデータ(左VAIO Pro 13、右VAIO Duo 13)

ストレージ性能の差が確認できたところで、次はCPUの馬力とGPUの馬力関係をチェックする。まずは「CINEBENCH R11.5」を使ってCPUの計算力を比較してみる。

「CINEBENCH R11.5」のスコア。全コアを使う「CPU」のスコアと、「CPU(シングルコア)」の違いに注目(左VAIO Pro 13、右VAIO Duo 13)

■ CINEBENCH R11.5
VAIO Pro 13 VAIO Duo 13
CPU Multi 2.3 2.51
CPU Single 1.16 1.16

1コアしか使わないテストでは同性能であるのに、全コア使ったテストだとVAIO Duo 13の方が上。これはPCMark7のComputationテストではVAIO Duo 13の方が高スコアという点に符合する。

これらの結果から考えられるのは、VAIO Pro 13はボディを薄型化したため、冷却力に余裕がないのではないかということだ。  

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