LINEは8月21日、LINEアプリに関する最新利用状況や今後の経営戦略などを紹介するビジネスカンファレンス「Hello, Friends in Tokyo 2013」を開催した。同社はカンファレンスで、公式アカウントやLINE@などの広告事業が順調に成長していることをアピールしたほか、3つの"C"にまつわる新サービスを発表した。

カンファレンスには、一般招待者150名とパートナー企業から750名が招待されており
来場者を楽しませるお祭り感あふれる様々な仕掛けが用意されていた
臨時のLINEショップも開店。また、ムーンやブラウンなどのLINE人気キャラクターが実際に会場へ来場していた

カンファレンスの冒頭、LINE 代表取締役社長の森川 亮氏が登壇。昨年のカンファレンスからLINEが行ってきたプラットフォーム戦略の実績を「LINE Innovation」として語り始めた。

2011年6月23日に日本で産声をあげたLINEは、スタンプ機能や無料通話機能などの様々な機能拡張を経て、2012年7月26日に5000万ユーザーを突破した。その後もアジア圏を中心として利用者の拡大は続き、今年の7月21日には2億ユーザー、8月21日時点では2億3026万ユーザーにまで到達している。また、52カ国においてLINEアプリはダウンロードランキング1位を獲得したという。

日本国内のLINEユーザーは4700万人で、「第3者のスマートフォン利用動向調査を引用すると、スマートフォン利用者の実に90%がLINEアプリをインストールしているという結果もある」(森川氏)。

メッセージ送信数についても、この1年で440%の成長を果たし、無料通話機能にいたっては912%の成長を記録した。無料通話機能はユーザー成長率の2倍以上となる数字を記録しており、徐々に無料通話アプリとしての需要も掴みつつあることが伺える。

メッセージ内で利用されるスタンプについては、1日あたりの送信回数が10億回を超え、前年比で488%の成長を遂げている。

森川氏はLINEが起こした"Innovation"について次のように語る。

「デバイスがPCからフィーチャーフォン、フィーチャーフォンからスマートフォンへと変化すると共に、EメールからSMS、SMSからシンプルなインスタントメッセンジャーへと変化してきた。しかし、スマートフォンの進化と共に、LINEが登場した。LINEなどのマルチコミュニケーションアプリによって、より豊かなコミュニケーションを取ることが可能になった」

LINEによる豊かなコミュニケーションの一例として、夫婦間のコミュニケーションに関する調査を挙げた。ジャストシステムによって調査された「夫婦間でのコミュニケーションについて、LINEを利用する前と後で変化はあったのか」という設問で、40%の夫婦が「コミュニケーションが増えた」と回答したという。また、コミュニケーションが増えただけではなく、「夫婦関係が深まったと思う」と回答した人も30%いた。

コミュニケーションの深化という側面では、その他コミュニケーションツールとの差別化要因として、そして人気に火が付いた要因としても挙げられる「スタンプ機能」が果たしている役割が大きい。

「某大手SNSもスタンプ機能を導入した(笑)」(森川氏)と、Facebookにチクリと言う場面も見られたが、実際にスタンプ効果は絶大で「メッセージに文字を打つことなく、スタンプで会話を完結するといった使い方もあるようだ」(森川氏)とユーザーが自らコミュニケーションのあり方を変え、発展させている例を挙げた。