8月16日、新木場スタジオコーストでニコニコ動画の公式イベント「VocaNicoNight」(ボカニコナイト)が開催された。その名の通り、ボカロPがDJとして出演するクラブイベントで、今回で4度目の開催となる(超会議やプレパーティーなどを除く)。
これまでは基本的にニコファーレで開催されてきたが、今回は満を持して会場をスタジオコーストへ移動。キャパシティも増え、ニコファーレとはまた違った演出で観客を楽しませた。もちろんイベントの模様はすべてニコニコ生放送で中継され、こちらも大盛況だったようだ。
出演したボカロPは、DJシーザー、baker、DJ'TEKINA//SOMETHING、八王子P、kz(livetune)、DJ VocaNicoの6名。この他、多数のゲストが出演した。また、ボカニコナイトで流された曲がCD化されることがイベントのラストで発表となった。
イベントとしてもかなり成熟されてきた感のあるボカニコナイト4を、写真と共にレポートしていこう。
まずはボーカロイドとボカロPについて説明……は必要ないかもしれないが、念のため。
ボーカロイドは初音ミクをはじめとしたDTMソフトで、合成音声により自作の曲を歌わせることができるツールだ。音声ライブラリは人気声優が担当しており、イメージキャラクターには可愛らしい女の子のイラストが使われることが多い。それゆえに単なる合成音声ツールではなく、キャラクター性を持ったバーチャルアイドルとしてのポジションを確立している。
そんなボーカロイドを使って作曲し、ニコニコ動画をはじめとするサイト上に作品を発表する作曲家たちをボカロPと呼ぶ。PはプロデューサーのP。アマチュアはもちろん、プロも趣味で作品を投稿することもあるし、かつてアマチュアだったがボカロ曲をきっかけにメジャーデビューしたボカロPもいる。
現在でもボカロ人気はとどまるところを知らない。人気曲の多くがカラオケでも配信されており、カラオケランキング上位をボカロ曲が占めるという状況も珍しくなくなった。若い世代の間では、J-POPやAKB48、ジャニーズなどと同じように、ボカロ曲が自然に受け入れられているようだ。
ボカニコナイトは、そうしたボカロの盛り上がりに後押しされるようにスタートしたイベントである。
基本的なイベントのスタイルは、クラブイベント形式を採用している。ホールの中央にDJブースが設置され、そこでボカロPがクラブアレンジしたボカロ曲を流し続けるのだ。前回までボカニコナイトが開催されていたニコファーレは、360°四方をLEDモニタでぐるっと囲んでおり、それを生かした派手な映像演出でイベントを盛り上げていた。
しかし今回は新木場スタジオコースト。ニコファーレのような演出は難しい。いったいどうするつもりなのかと思っていたら、そこはさすがにニコニコ動画。誰も予想しなかった演出を斜め上から繰り出してきた。
……こちらをご覧いただきたい。写真だけ見ても意味がわからないと思うので、解説しよう。初音ミクと謎のマッチョダンサーがポールダンスを披露している場面である。解説してもやっぱり意味はわからない。
会場中央のDJブースを挟むように、左右にポールが立てられており、ボカロPのDJプレイがノリにノッてきたところで、彼らがさっそうと登場するのである。もちろんその時かかっているボカロ曲との関係は何もない。演出の意図はさっぱりわからないが、ニコニコ動画らしくて良い。ともあれ会場とニコ生のコメントは彼らの登場で大盛り上がりになっていたことはお伝えしておきたい。
つい初音ミクとマッチョダンサーの話が長くなったが、肝心のイベント内容をレポートしよう。……続きを読む