バッテリーの持ち時間や本体の発熱は?
モバイル用途をうたう同機種だからこそ、バッテリーの持続時間は気になる部分。タッチ&トライを実施当時に同社担当者からヒアリングしたところ、Android版「Cintiq Companion Hybrid」は「Entry」(16GB)モデルが約7時間、「Extend」(32GB)モデルが約10時間。Windows 8版「Cintiq Companion」は両モデルともに約7時間という数値を目指して鋭意試験を行っているとのことだった。平尾氏はワコム担当者からの説明を熱心に聞き、「このモニタとCPUのスペックでそれだけもてば十分に感じた」と語った。
また、長時間にわたり作画を行うクリエイターたちにとって見逃せないポイントが「本体の発熱」。平尾氏は、「タッチ&トライに使用した機体では画面の右側がほんのり温かく感じましたが、ほぼ問題にならないレベル」だと語った。そのほか、Android駆動に切り替え、取り回しの容易さを確かめるように本体をスタンドやケーブルから取り外し、スケッチブックのように使う場面もあった。
同機種の13.3型というサイズと2kgをやや切る程度の重さ(「Entry」が1.7kg、「Extend」が1.8kg)について、平尾氏は液晶ペンタブレットとしてはかなり小型・軽量な部類に入るが、モバイル端末として見ればそれなりの質量に感じると言及。しかし、片手で長時間持ちながら作業する場面はあまりないため、さほど気にならないともつけたした。
ワコム純正のマンガネームアプリは「必要十分」な軽快動作
平尾氏が注目したのは、「Cintiq Companion Hybrid」にプリインストールされているマンガネーム制作に特化した専用アプリ「Wacom Manga Canvas」。漫画家にとって欠くことのできないネーム制作作業にフォーカスしたユニークなアプリに興味をひかれ、かなりの時間をかけて試し書きを行っていた。
同アプリについて平尾氏は、「機能は最低限揃っている感覚。逆にそれがアプリの動作の軽さにもつながっていて、ラフや漫画のネームを作るには必要十分」と称賛。そして、描画データをセルシスのコミック制作機能を搭載した描画ソフト「CLIP STUDIO PAINT」にそのまま受け渡すことが可能な点を高く評価していた。平尾氏は、「ネームなどは漫画家さんによって描き方が違いやすい部分なので、要望を出せるところか意見を聞いてもらえる機会があると嬉しい」とアプリのアップデートや機能改善にも期待を寄せていた。