地図を見ながら、現在地の標高を確認。PRW-3000の高度を補正する

登り始める前に、PRO TREKシリーズを使用した登山レポートでは毎回恒例となっている、高度補正を行う。高度計測は、圧力センサーで計測した気圧をもとに割り出しているので、気圧配置の変化によって、同じ場所でも表示される高度が変わることがある。そのため、登山口や山頂など高度が分かる場所で補正することが大切なのだ。

地図には標高800mとあるので、高度計の数値も「800m」に設定。「じゃあ、出発しますか」と岡野さんに声をかけて、林道を歩き始めた。

こまめな補正で正確な高度計測を

うっそうとした樹林の中を40分ほど登っていくと、乙女峠に到着。地図には「富士山の眺めがよい」とあり、木の展望台も設置されていたので登ってみたが、富士山は雲の中。上空にはわずかだが青空が見えるので、登っているうちに晴れてくれればいいが……。

乙女峠の展望台。絵葉書のような美しい富士山が望めるはずが、この日は何も見えず……

地図や標柱を見ると、ここ乙女峠の標高は1,005mとある。一方、PRW-3000を高度計測モードにして、高度を測ると表示は「993m」。10mほどの誤差がある。以前の取材で、PRO TREKシリーズの開発者であるカシオ計算機の牛山和人氏から「正確な高度を計測するには、こまめに補正することが大事」と教わっていたので、ここで改めて補正をして、高度計の数値を「1,005m」に再設定した。

乙女峠の標高は1,005m。それに合わせて高度を再補正。標高が分かる場所で、高度をこまめに補正するのがコツ

その甲斐もあって、標高1,144mの長尾山で再び高度計測を行うと、「1,141m」とわずかな誤差で表示された。1m表示という細かい計測単位だからこそ、正確な高度計測には従来モデル以上にこまめな補正が必要なのだろう。

長尾山の山頂で高度計測を行うと「1,141m」と表示

地図で確認すると、実際の標高は1,144mとなり、誤差はわずか3m

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