本業に付随した知識を求め、そこからさらに幅を広げる方も

多くの方は本業に付随した知識を勉強していきたいと回答。そこからさらに横へとスキルの幅を広げて行こうという方も多くいました。

医療やIT技術、金融、法務といった専門知識がかなり要求される仕事の方は、勉強したい内容も同じ分野の傾向が強く、小売やサービス業、食品といった業界では横に広げて語学やマーケティング、自営業の方も本業にプラスして法務や語学などの知識・スキルの強化を望んでいました。

"もやもや"はステップアップのための好機

今回は特別ゲストとして資格事情に詳しい資格の学校TAC 宣伝企画部 三柴陽一郎さんに、アンケートの結果に対して、実情を伺ってみました。

――「知識やスキルへのもやもや解消の方法」について、順位などご覧になって、いかがでしょうか。

仕事をしていくうえで、知識やスキル不足を感じる瞬間は必ず訪れますよね。「自身のやりたいことができない。その原因は〇〇不足……」と"原因"がわかっているだけにもどかしい思いをした方も多いのではないでしょうか。

アンケートの結果では「インターネットで情報を収集する」が1位でした。コメントにもありましたが、まずは「どうすれば解決できるのか?」について、"手がかりをつかむ"ためにもネットを使って広く情報収集するということなのでしょう。

一方で、「具体的にこの分野に対する知識が不足している」とわかっている方は、その範囲の知識を身につけるために、あるいは深掘りするために、資格や専門書、ビジネス書に目を向けるのだと思います。

――知識・スキルを強化したい分野は1位が語学、2位がITスキル、3位が対人スキル、4位が金融、5位が経営で、ほぼ横ならびに近い結果でした。この結果について、いかがでしょうか。

5位までの内容ですが、大きく2つに分けることができます。「語学系」「IT系」「対人スキル系」は、ある意味どの分野でも必要な"横断的な知識・スキル"です。"ツール"と言い換えても良いかもしれません。「金融系」「経営系」は、その分野で不可欠な"専門的な知識"です。マイナビニュースの会員層である20~30代を想定すると、語学・IT・対人スキルは社会人としての土台を作る意味でも必要、と思われている方が多いのではないでしょうか。

――強化したい分野によって「次の一手」に少し差があるようです。これについてはいかがですか?

前述のように語学・IT・対人スキルはツール的な要素が強く、広く知識や情報を収集する必要があるのでネットを利用しているのでしょう。また、金融・経営等は、特定の範囲内で深くかつ体系的に知識を得ていく必要があるので、資格・専門書・ビジネス書で学んでいくべき、と思われている方が多いのだと思います。

――スキルアップしたい理由に関するアンケートの結果を踏まえ、もやもやを解消するためのアドバイスをお願いします。

有している知識やスキルを"第三者の評価"という視点で見ていきましょう。「自分にはこれだけの知識やスキルがある」ということを、客観的に証明する必要がある場面もあります。履歴書だったり取引先に渡す名刺だったりが代表例です。あるいは、会社としてその知識やスキルを保持している人を、一定数抱えていなければならないということもあります。「スキルアップしたい理由」の結果の上位を見てもこの傾向はうかがえます。その場合には「資格」って有効なんです。「この人はこの分野についての一定の知識・スキルを身につけている」ということを証明するのが資格です。語学系ではTOIEC(R)や英検、IT系では情報処理技術者が有名です。資格は、合格という具体的なゴールに向けて学習していく側面もあり、努力が「合格」というカタチで報われるという達成感も得ることができます。

資格はひとつの選択肢ではありますが、万能ではありません。自身の「やりたいことを果たすためにどうすればいいのか?」の解決策はそれぞれだと思います。限られた時間を自分のレベルアップのために使う、ということはとても有意義なことですので、これを機会に"もやもや解消"に向けて踏み出してみるといいかもしれませんね。

「もやっ」とした不安や焦燥感を感じる瞬間というのは、自分の力量を測れるようになったり、今までになかった新しい局面に直面したりという、実は前向きで次へのステップとなるいい機会なのかもしれません。皆さんはいかがでしょうか。