『ガブリンチョ・オブ・ミュージック』の構想は、『トップガン』や『ロッキー』から!?

――それでは、今回の映画『獣電戦隊キョウリュウジャー ガブリンチョ・オブ・ミュージック』についてお聞きします。今回は「ミュージカル」だそうですが、監督の狙いはどのような部分にありましたか?

坂本監督:僕としては、100パーセントミュージカルというよりも、僕たちが中学・高校時代(80年代)に観ていた『トップガン』『ロッキー4』『ストリート・オブ・ファイヤー』『フラッシュダンス』をはじめとする、サントラ(サウンドトラック)ベースの映画を作りたい、という狙いがありました。映画の中でテーマソング、テーマミュージックがかかりまくって、歌を聴いたら映画のワンシーンを鮮烈に思い出すというノリです。そういう面白さを、今の子どもたちに伝えたいと思いました。『キョウリュウジャー』の持つ雰囲気だと、そういうのがいけるんじゃないかと。エンディングの「キョウリュウダンス」も大勢の子どもたちに受け入れられていますしね。ミュージカル調にみんなで歌う場面も作り、楽しく盛り上げていきたいと思ったんです。

――竜星さんは、歌のほうはいかがですか。

竜星:いやあ~(照笑)。

坂本監督:自分では「ヤダヤダ」って言ってるけど、歌のシーンになるとけっこうノッてやってたよね。

竜星:人前で歌うのは恥ずかしいじゃないですか。そっちのプロではないですし。でもまあ、台本にある以上はやらないといけないし……。

坂本監督:でも、レコーディングはほぼ一発OKだったよね。

竜星:そこはがんばりましたよ(笑)。

坂本監督:「僕はそんな……」といいつつも、決める時はちゃんと決める。「持って」ますよ彼は(笑)。

――シアターGロッソ(東京ドームシティ)に一般募集のエキストラさんを集めたシーンがあったそうですが、撮影時はどんな雰囲気だったのですか。

坂本監督:エキストラさんたちの撮影は大変だったけれど、とても楽しかったです。

竜星:僕も楽しかった。

竜星涼
1993年生まれ。東京都出身。2010年、フジテレビのドラマ『素直になれなくて』で俳優デビュー。主な出演作品は、TVドラマ『ハンマーセッション』(2010年)、『秘密』(2010年)、『桜蘭高校ホスト部』(2011年)、映画『桜蘭高校ホスト部』(2012年)、『ライアーゲーム-再生-』(2012年)、『大奥~永遠~』(2012年)など

坂本監督:普段の撮影現場と違って、回りにいるのがみんなファンの方でしょう。何か言ったり動いたりすると「ワーッ!」と温かいリアクションがすぐ返って来るのがうれしいんです。それで調子に乗って、いろいろな話をしたりして(笑)。

竜星:ファンのみなさんに『キョウリュウジャー』がいかに愛されているかを実感しましたね。

坂本監督:エキストラの方々と出演者が一緒に踊るシーンを撮ったんですけれど、事前に少し練習をしただけで、テストをやったらみんなポン、とできたから、スタッフ一同スゲェ! って驚きました。キョウリュウジャー……キョウリュウダンスの人気を肌で感じましたね。

――生身のアクションと特撮(メカ)アクション満載の映画ですが、ドラマ的な見せ場もあるんですね。

坂本監督:ダイゴと美琴のフランスでの回想シーンには力を入れましたね。映画といっても全部で30分しかありませんから、短い時間の中で、直接的にお客さんが感情移入しやすい場面を作るならここかなと思ったんです。映画では、テレビと違うダイゴの一面を見せたかったですし、最後には熱い男・ダイゴという風に持っていきたかった。そのために、美琴とのラブシーンはしっかりと描かなければと思ったんです。だから、ネックレスをつけてあげたり、抱き合ったりするシーンもたっぷり尺を取っていますよ。うらやましいなあと思いつつ(笑)。……続きを読む