新領域収入については、年間7,000億円の目標に向けて拡大していく。具体的には、メディア・コンテンツで1,400億円、コマースで1,600億円、金融・決済で2,200億円、その他で1,800億円の収入を目指している。2015年度には1兆円の規模にまで拡張していきたい考えだ。また、収益を拡大させるとともに経営体質の強化も行っていく。コスト構造の抜本的な改革などにより、2013年度末までには累計で1,600億円の削減を実現させるという。

新領域収入については年間7,000億円を目標とする(写真左)。コスト構造の抜本的な改革を行い、2013年度末までに累計1,600億円の削減を実現させる(写真右)

ツートップ戦略については一定の成果、パケット収入については着実に成長との評価を下した。今後は純増数の改善と、収入基盤の拡大・コスト削減を行っていく

質疑応答

記者会見の最後に質疑応答の時間がもうけられ、加藤社長が記者団の質問に回答した。現在、携帯各社で激しい競争が行われているMNPの施策。これについて問われると「ポートインをしたユーザーに対するキャッシュバック戦略は、行きすぎると歪んだものになってしまう。しかし競争環境もあるので、他社の状況を見てその時々に判断するしかないと思っている。NTTドコモとしては、そのあたりは是正していきたいと思っている」と回答した。

質疑応答に答える加藤社長

市場におけるシェアの割合について聞かれると「第1四半期における純増数は厳しい結果となった。ツートップ戦略によりフィーチャーフォンからスマートフォンへのシフトが進み、フィーチャーフォンからのポートアウトが減ったが、ポートインの数が想定よりも少なかった。7月は強い手応えを感じているので、良い兆しだと思う」と回答。

「ツートップ戦略を導入した狙いは達成できたのか」という質問には、「目的は2つあった。スマートフォンへの移行を促進できたという面では達成できたと考えている。またMNPについて改善したいという側面でも、ポートアウトが減るなどの効果があった」と回答した。ただ、記者会見後の囲み取材では「実はツートップでもう少しユーザーを獲得できると見込んでいたが、6月に苦戦した」と本音を漏らしていた。