――物語後半、楓と修司がテーブルを挟んで向かい合って話す定食屋のシーンが印象的でした。
あのシーンはかなり時間をかけてじっくりと会話のやりとりを撮りました。二人とも本当のことも言ってはいますけど、ほとんどが実はウソだと思うと、ウソのセリフを一生懸命覚えているのが不思議な感じでしたね。なんか悔しかったです(笑)
――詳しくは言えませんが、ラストにとても幻想的で素敵な映像が待っていました。二人の本格的な恋も予感されましたが、その後、楓と修司はどうなったのでしょうか。
悲しいけど、またお互いの任務があると別々になるんでしょうね。自分としては「あ、どうなったんだろう……」という幸せなところで終わるのがいいかなと。もちろん、続きがあれば面白いでしょうけど、ずっと孤独だった楓も人の愛に触れることができて、初めて人を信じることができて良かったなと思います。
――ところで、深田さんは昨年30歳を迎えましたが、仕事面で今、思うことは?
私を見てくれる人、役を下さる人に新しい自分をもっと見せて、もっとさまざまなことを表現できたらいいなと思います。今は自分と同年代の女性の役がやりたいです。彼女たちがどんなことを考えながら、どんなふうに生きているとかを知りながら、あらためて自分の年齢と向き合ったり、自分ならこう考えるな、とか演じながら思ったり。そういう役をぜひやってみたいですね。
――では、プライベートでは?
体の健康イコール心の健康だと思うので、外に出てお日さまに当たったり、運動したり、ちゃんと食べて寝たり……。当たり前のことだけど、やっぱりそれがないと日々健康にお仕事できないと思うので大切にしています。将来的な大きなプランは自分の中では決まってないですけど、お仕事を頑張りながら冷静に自分を見つめ直したい、というのが近い目標です。結婚願望は……それがあんまりないんですよね……。結婚したら何が変わるのかな? とか、結婚式って大変そうだなとか、そういうことばかり思っちゃって(笑)
――では最後に、今回のドラマにちなんで最近ついたウソは何かありますか?
……今日は取材でいっぱいウソをついたかもしれないです(笑)。取材って自分が考えてもいなかったことを聞かれるので、さっきまでは考えもいなかったけど聞かれたからそう思ったのか、それとも前から思っていたことなのか少し分からなくなる時があります。聞かれれば聞かれるほど、どんどん考えるけれど、本当にそう思っていたのかと考えると、実はウソなのかもしれない……って。でも話しながら自分の意外な面に気づくこともありますし、文章になったのを読んで後から自分の気持ちを確認することもあります。もちろん全部がウソではないですけど、自分のことを話す時はなんだかドキドキしちゃいますね。