マウスコンピューターのゲーマー向けブランド・G-Tuneから、GeForce GT 750Mを搭載した15.6型ゲーミングノート「NEXTGEAR-NOTE i520」シリーズが発売された。ノートPCでありながらゲーマーが求める性能を実現し、しかも価格は最小構成時10万円を切るリーズナブルなレンジに抑えられている。今回はその中から、SSD+HDDのツインドライブ仕様を採用した「NEXTGEAR-NOTE i520SA1-W7」(販売価格119,700円)を紹介しよう。
ノングレア液晶搭載、充実のゲーミング環境がコンパクトに!
「NEXTGEAR-NOTE i520」シリーズの15.6型というサイズは、ノートPCとしてはけっして小さい部類ではない。実際に電源を入れて本体に向かえば、広々とした画面とフルサイズのキーボードが、余裕を持った使いやすさを提供してくれていることがわかる。
しかし、 クアッドコアCPUのCore i7-4700MQ(動作周波数2.40GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.40GHz)や、GeForce GT 750Mなどの高性能パーツを搭載したゲーマー向けPCという製品イメージからすると、本機はむしろコンパクトにすら見える。ハイスペックではあるが、「いかつい」デザインではなく、性能が限られたスペースの中に凝縮されている印象だ。
フルHD(1920×1080ドット)表示に対応した15.6型液晶ディスプレイは、最近主流の光沢タイプではなく、周辺光の反射の少ないノングレアタイプをあえて採用しているため、部屋の照明の位置などを気にせず使うことができ、長時間のプレイでも疲れにくい。ノングレア液晶の中には、全体的に表示が白っぽくコントラストや彩度に不満の残る製品もなくはないが、少なくとも本機の画面については、ベンチマークテスト中などに注視した限り、色の鮮やかさにも問題はなく、ゲーム画面の美しさを損なう心配はなさそうだった。
天板部分は幾何学模様の上にクリアな光沢層が重なるような仕上げとなっており、見た目に美しく、また指紋などの汚れが付いたときも、柔らかい布などで簡単にふき取れるようになっている。一方、ゲームのプレイ中に手が乗るパームレスト部分は細かいエンボス加工が施されており、発汗時にも手の滑りやベタ付きを防いでいる。キーボードに印刷される文字も細めの書体が選択されており、プレイ中に視界に入ってもうるさい印象を与えないデザインとなっている。
ゲーマー用PCはその性能を誇示するために、重厚でアグレッシブなデザインを採用することも多いが、本機はあくまでスマートで落ち着いたイメージを貫いている。しかし、プレイの快適さを左右する部分は十分使い勝手に配慮されており、ゲーマー向けPCの本分はしっかり守られている。
DDR3よりも高速なGDDR5メモリを採用したグラフィックス
冒頭に紹介した通り、本機はグラフィックスチップとしてGeForce GT 750Mを搭載しているのが大きな特徴だが、GPUそのものに加え、グラフィックスメモリにGDDR5(2GB)を採用したという点もアドバンテージだ。GeForce GT 750MはメモリインタフェースとしてDDR3とGDDR5をサポートしており、どちらを選択するかはPCメーカーに任されているが、より広帯域のGDDR5を採用したほうが性能は上がる。メインメモリとして広く使われているDDR3メモリを利用するよりもコスト面では不利になるが、マウスコンピューターによると、GDDR5を採用することでDDR3に比べ約3割の性能アップが図れるということで、GPUのパフォーマンスを最大限に引き出すことを優先した設計になっている。また、Optimusテクノロジに対応しており、低負荷のときは自動的にGeForceをオフにし、CPU内蔵グラフィックス機能に切り替えることで、消費電力を低減している。
また本機は、ドライバーでネジを回すことなくロックレバーの解除だけで底面のカバーを取り外すことができ、比較的簡単に主要パーツにアクセス可能。標準では8GBのDDR3Lメモリ(PC3-12800)が1枚搭載されているが、BTOオプションまたはユーザー増設により16GB(8GB×2)に変更できる。
そして、内部を見てわかる通りmSATAモジュールと2.5インチドライブの2基のストレージに対応している。今回のNEXTGEAR-NOTE i520SA1はmSATAスロットに128GBのSSDモジュール、そして2.5インチドライブベイに1TBのHDDを搭載しているが、ストレージ構成は自由度が高く、mSATA SSDは非搭載/128/256GB、2.5インチドライブは1TB HDDのほか、Samsung 840の120/250/500GB、Samsung 840 Proの512GB、CFD S6TNHG5Q(東芝HG5d)の128/256/512GB、インテル520の120/240/480GBから選ぶことができる。
そしてCPUは標準構成のCore i7-4700MQのほか、同4800MQ、4900MQが選択可能。いずれもコードネーム"Haswell"で呼ばれる第4世代Coreプロセッサーで、高性能・省電力を両立している。OSはWindows 8のほかWindows 7も選択可能で、今回の試用もWindows 7 Home Premium搭載機で行っている。