近年、キーボード(楽器)市場が脚光を浴びている。子どもの習いごととしてだけでなく、生涯学習として音楽に親しむための格好のツールとして、中高年から特に人気なのだ。そんなキーボード演奏を学ぶ場として、「カシオキーボード教室」がある。同教室は、カシオ計算機のカシオミュージックサークル(CMC)事務局に認定された登録講師が、全国に開講しているものだ。

去る6月8日、各教室の生徒代表が演奏の腕を競い合うコンサート「CMCフェスティバル2013」が、神奈川県川崎市の「サンピアンかわさき」にて開催された。今回は、全12組の個人やグループが参加。堅苦しさのない和やかな雰囲気とともに、テレビや映画でなじみ深い数々の曲が、キーボードならではの美しく壮大な音色で演奏された。

会場となった「サンピアンかわさき」

開場後、次第に観客が集まり始める

初心者でも楽しめる! 上達に合わせた音楽との付き合い方

開演のブザーが鳴り、会場の照明が落ちる。司会者の軽妙なトークに続いて、最初の奏者グループが登場。曲は、NHKの紀行番組「小さな旅」のテーマ。「ルパン三世」でおなじみ、大野雄二氏の作曲によるナンバーだ。「いつかこの曲をアンサンブルで弾きたいと思っていた」とのコメント通り、奏者の思い入れがたっぷりと感じられる情感あふれる演奏だった。

「小さな旅」を演奏した、あじさい会・レインボーグループ

「リベルタンゴ」を演奏した、永井 有可子さん(カシオキーボード教室・どるちぇ)

「映画メドレー(タラのテーマ~エデンの東~ムーンリバー~シェルブールの雨傘)」を演奏した、トップウェルネスさいたま・さいたまサンデーキーボードクラブ

この後も、ヒット歌謡やビートルズナンバー、映画音楽メドレーなど「この曲が好き」「この曲を弾きたい!」という楽曲への愛、そして積み重ねられた練習の成果がひしひしと伝わる演奏が続く。ストリングスの美しいハーモニーによる主旋律から、豊かに響くベース・リズムラインまでの厚みある音層を奏でられるのは、まさしくキーボード演奏の真骨頂だろう。

「黒い瞳」を演奏した、よみうりカルチャー大宮

「Help!」を演奏した、BRAINZ(ブレインズ)

「花」を演奏した、高橋 義治さん(よみうりカルチャー金町)

これが、ピアノ教室とキーボード教室が目指すところの異なる部分だ。ピアノ教室は演奏技術の習得が主なテーマであることが多いのに対し、カシオのキーボード教室は、多彩な音色やリズム、自動伴奏などの機能を使って、気軽に音楽に親しむことを目的としている。音楽に対する感性や簡単な演奏技術を、子どもに手軽に身に付けさせたいという親御さん、あるいはセカンドライフの新しい趣味、仲間とサークル活動を始めたいという中高年の方々に、キーボード教室はうってつけの場所といえる。

「ブギウギメドレー(銀座カンカン娘~東京ブギウギ)」を演奏した、あじさい会・コスモグループ

「世界にひとつだけの花」を演奏した、茂木 美咲さん(カシオキーボード教室・どるちぇ)は、小学校2年生!

「ノクターンop.9-2 in Jazz」を演奏した、サンケイリビングカルチャー倶楽部・枚方教室・ドルチェ

全国のカシオキーボード教室では、老若男女を問わず約2,000人もの生徒が受講しているが、近年は時間にゆとりがあり、音楽を新たな趣味として楽しみたいというご年配の方々が増えているそうだ。なお、キーボードは価格的にも買いやすく、自宅に置きやすいのも見逃せないポイント。ヘッドホンがあれば、音量による近所迷惑にもならない。時間を気にせず、練習したいときにすぐ自宅で練習できるのも、キーボードの大きなアドバンテージだろう。

「風が吹いている~風になりたい」を演奏した、セブンカルチャークラブ・橋本教室

「夏の歌メドレー(さらば夏の日~浜辺の歌~海)」を演奏した、サンケイリビングカルチャー倶楽部・枚方教室・ミルキーウェイ

「We Love YOKOHAMA(ブルーライトヨコハマ~港のヨーコヨコハマヨコスカ~赤い靴)」を演奏した、セントラルフィットネスクラブ緑園都市

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