今シーズンのPC新製品で一番の話題となっているのは、いうまでもなく"Haswell"こと第4世代Coreプロセッサーだが、これに加えて注目したいのが、NVIDIAから登場したゲーマー向けグラフィックスカードだ。今回マウスコンピューターから発売されたデスクトップPC「MDV ADVANCE」シリーズの上位モデルは、発売されたばかりのHaswellとGeForce GTX 770/780を搭載し、動画編集からゲームまで、さまざまな用途でこれまで以上に快適に使えるマシンとなっている。ここではGeForce GTX 770を搭載しながら、15万円を切る価格を実現した「MDV-GZ7100X」(販売価格149,940円)で、そのパフォーマンスを実感してみよう。

「MDV ADVANCE」シリーズの新製品「MDV-GZ7100X」

これまでのハイエンドGPUをも上回るGeForce GTX 770を搭載

GeForce GTX 770は、5月末に発売されたばかりのNVIDIAのゲーマー向けグラフィックスカードだ。GeForceのハイエンド製品には、同じく5月に発売されていたGeForce GTX 780、2月に発売されていたGeForce GTX TITANがあるが、この2製品は「GK110」と呼ばれる超大型のコアを採用しており、確かに高性能なもののカードの販売価格はGTX 780が8万円前後から、GTX TITANに至っては12万円前後からと、投資のハードルはかなり高い。

その点、GeForce GTX 770はこれまでのGTX 670/680と同じ「GK104」コアを使用することで、現実的な価格帯に抑えながら堅実なスペックアップを図っている。従来製品と同じコアとはいえ、CUDAコアはGTX 670の1344基から192基増えて、従来のハイエンドであるGTX 680と同じ1536基になった。また、動作周波数はGTX 680よりも高くなり、ベースクロックは1046MHz、ブーストクロックは1085MHzへと引き上げられた。メモリアクセスの帯域幅もGTX680の192.2GB/sから224.3GB/sに拡大した。「GTX 770」という型番だけを見れば、GTX 670の後継という位置づけになるが、そのスペックはGTX 680をも上回っており、重量級のゲームもフルHDで快適に楽しみたいという、コアゲーマーには魅力的な選択肢となっている。また、最高のグラフィックス性能を求めるユーザーにはBTOオプションでGeForce GTX 780も用意されている。

型番的にはGTX 670の後継に当たる「GeForce GTX 770」だが、スペックはGTX 680よりも高い

CPUは最新の"Haswell"世代であるCore i7-4770(動作周波数3.40GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.90GHz)を標準搭載。GeForce GTX 770を搭載しているこのマシンで、ゲームのためにCPU内蔵グラフィックス機能を使う機会はまずないが、一部の対応ソフトでは動画エンコードの高速化などに内蔵グラフィックスを利用できるので、Haswellで強化されたグラフィックスコアのメリットは、本機においてもあるといえるだろう。またBTOオプションでは、動作周波数が若干高く、動作倍率のロックが解除されているCore i7-4770Kもプラス5,250円で選択可能だ。

何はともあれ、気になるゲームベンチマークのスコアは

本機に関心を寄せる読者であれば、「スペックは自分で読み解くことができるので、早く実際の性能を見せてくれ」と思われることだろう。そこで今回は早速、いま多くのユーザーが利用しているベンチマークソフトである「ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編」を実行してみよう。これは、現在ベータテスト中で8月に本サービスの開始が予定されている「ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア」の世界を舞台にしたベンチマークソフトで、大人気RPGの続編が自分のPCでどれだけスムーズに楽しめるかをいち早く知ることができる。

8月サービスイン予定の「ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア」の世界を舞台にしたベンチマーク

初期設定では解像度は1280×720、画質は「標準品質」だが、解像度は1920×1080、画質は「最高品質」でも、それぞれテストを行ってみた。

ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編
1280×720 標準品質 18842
1920×1080 標準品質 15431
1280×720 最高品質 11027
1920×1080 最高品質 7454

結果はご覧の通り、すべての設定で圧倒的なスコアを叩き出している。開発元のスクウェア・エニックスでは、スコア2000以上で標準的な動作、3500以上で快適な動作が見込めるとしており、7000以上を「非常に快適」に動作する最高ランクの性能としているが、本機ではフルHDで最高品質という設定においても7000以上のスコアが得られており、「新生エオルゼア」の世界を最も美しい描画で楽しむことが可能となっている。ぜひ、自分のPCとスコアを比較してこの力強さを感じてほしい。

初期設定では18000超えのスコア。あらゆる設定において「非常に快適」ランクの性能が確認できた

また、このコーナーで取り上げてきたこれまでの機種との比較のため、従来と同じベンチマークテストを行ってみた結果も以下に掲載するが、すべての項目で過去最高クラスのスコアとなっており、どんなゲームでも快適にプレイすることができるといって差し支えないだろう。

3DMark VantageでもGPU、CPUスコア両方で文句なしの性能を記録した

BIOHAZARD 5 ベンチマーク ベンチマークテストB(DirectX 10)
1280×720 166.0fps
1920×1080 166.9fps
ロストプラネット 2 ベンチマーク テストタイプB(DirectX 11)
1280×720 107.1fps
1920×1080 92.9fps
ファイナルファンタジー XIV オフィシャルベンチマーク
Low 7768
High 7138
3DMark Vantage 1.1.0 Performanceプリセット
3Dmarks P34560
GPU SCORE 37880
CPU SCORE 27364
3DMark Vantage 1.1.0 GPU SCORE
1280×720 45798
1920×1080 28030
CINEBENCH R10 64bit
Single CPU 7671(1分55秒)
Multiple CPU 28832(0分34秒)