天面の電源ボタンを押すと、沈胴式のレンズが約3.6cmほどせり出して、約2秒で撮影スタンバイの状態になる。レンズには35mm判換算で24~720mm相当の光学30倍ズームを搭載する。レンズの開放値はワイド側F3.5、テレ側F6.3に対応。テレ側の暗さは不満だが、このサイズでこのズーム倍率を実現しているのだから、多少暗いのは仕方ない。

下の写真は、同じ場所からズームのワイド側とテレ側で撮影したもの。圧倒的な画角の変化は、それだけで撮っていて楽しく感じる。さらに3枚目は、全画素超解像ズームを使って1,440mm相当で撮影したもの。観覧車の窓の金網や手摺りなど、肉眼では見えない部分まではっきりと写る驚異的な画角だ。

ズームのワイド端で撮影。24mm相当(原寸大画像を見る)

ズームのテレ端で撮影。720mm相当(原寸大画像を見る)

ズームのテレ端+全画素超解像ズームで撮影。1,440mm相当(原寸大画像を見る)

手ブレ補正は、レンズ群の一部を動かして補正を行う光学式を搭載する。720mm相当の超望遠でも、屋外であれば手持ちで問題なく撮影可能だ。AFについては、コンパクトデジカメで一般的なコントラスト検出方式を採用。マクロ撮影や暗所での撮影時にはAF速度が低下するが、それ以外では、ズーム域を問わず大きなストレスなくピントが合う。

撮影モードは、「おまかせオート」のほか、「プレミアムおまかせオート」、プログラムオート、絞り優先オート、シャッター優先オート、マニュアル、MR(登録呼び出し)モード、動画、パノラマ、シーンセレクションの計10モードに対応。天面のモードダイヤルで素早く選択可能だ。

このうち、プログラムオートまたは絞り優先オート、シャッター優先オート、マニュアルを選んだ場合は、背面のコントロールホイールによって絞りやシャッター速度の調整ができ、天面の専用ダイヤルによって露出補正の操作が行える。これらは、ちょっと凝った撮影を楽しみたい人に役立つモードだ。また、好きな設定を記憶して素早く呼び出せるMRモードを搭載したことも個人的にはありがたく感じる。

光学手ブレ補正内蔵のソニーGレンズを搭載。内蔵フラッシュは手動ポップアップ式

3型で約92.1万ドットのTFTを搭載。その右側にコントロールホイールを装備する

天面にモードダイヤルと露出補正ダイヤルを装備。ズームレバーはやや小さめだ

一方で気軽に撮影したい場合は、シーンの自動認識が働く「おまかせオート」や「プレミアムおまかせオート」が役立つ。プレミアムおまかせオートでは、シーンに応じて連写や画像合成が自動的に作動し、暗部ノイズやブレ、白とび、黒つぶれなどを最小限に防げる。

撮影モード:絞り優先オート(F3.5 0.4秒) 露出補正:±0 感度:ISO80 WB:オート 焦点距離:4.3mm(原寸大画像を見る)

撮影モード:プレミアムおまかせオート(F3.5 1/25秒) 露出補正:±0 感度:ISO800 WB:オート 焦点距離:4.3mm(原寸大画像を見る)

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