巨大ロボに乗ってみよう

説明会後、報道陣はイェン氏、ロインド氏とともに群馬県北群馬郡榛東村にある榊原機械を見学した。榊原機械は環境保全機械の設計・製造・開発や知能ロボットの開発を手がけているのだが、社員教育のとして実際に人間が搭乗できるロボットの開発も行っている。

榊原機械のガレージ

試乗体験できたのは「LANDWALKER」「KID'S WALKER」「KID'S WALKER CYCLOPS」「MechBoxer」「EHV(Empty Handed Vehicle)」の5種類。

「LANDWALKER」は高さ3.4m、重量1,000kgの2足歩行ロボット。エンジンで駆動する。コックピットの足元に前進/後進用と旋回用のペダルがあり、これを踏み込むことで、すり足で移動する。ペダルはアクセルのように踏み込みの強弱によって速度調節できるわけではなく、単純に踏むと進んで離すと止まる仕組みになっている。

「LANDWALKER」SF映画などでこんな感じのロボを良く見る

一番初めに「LANDWALKER」に乗り込んだロインド氏。楽しげ

実際に乗り込んでみると3mの高さと大きな揺れで、思った以上の迫力がある。HAWKENに登場するロボットも小さいものでは、およそ3~4mの大きさになるという。動かす際は榊原機械のスタッフの方に誘導してもらうのだが、高い位置からだと足元が見えないのでコックピット内には足元の映像を映す小型のモニタも備えられている。

足元のペダル

コックピットには足元の映像を写すモニタも

動かしている最中は、エンジン駆動であるためかガソリンの香りも漂ってくるのだが、それによってさらに臨場感が増す。エンジンで駆動するロボットということで、「これでハンドルがついてたら"ザブングル"だな」などと思いながら操縦した(もちろんあんなコミカルな動きはしないのだが)。

ちなみにコックピットの手元には左右それぞれにレバーが備え付けられていて、ボタンを押すと、本体左右に搭載したバルカンとショットガンから圧縮空気によってやわらかいクッションボールを発射することができる。

「LANDWALKER」に取り付けられたショットガンと同じ仕組みの銃。圧縮した空気でボールを打ち出す

遠くから狙うよりも近くで打ちたい的

「KID'S WALKER」「KID'S WALKER CYCLOPS」は子どもでも乗ることができるロボット。基本的な操作は「LANDWALKER」と大きく変わらず、足元のペダルで前進と後退、旋回を行う。「KID'S WALKER」はエンジン、「KID'S WALKER CYCLOPS」はモーターで駆動する。手元のレバーで、ロボの両腕を操作できる。

「KID'S WALKER」

右肩につけられた盾に製作者の方の趣味が現れているような気がする

ペダルを踏んで移動

このアームでものをつかむこともできるという

特に「KID'S WALKER CYCLOPS」は、腕を動かすと「ウィーン」といういかにもな機械音を発して動き、ロボットを動かしているという高揚感がある。見た目も作業用レイバーっぽくて楽しい。

「KID'S WALKER CYCLOPS」

どことなく壷を鳴らしてみたくなるフェイス

角があるので隊長機かもしれない

右手はやはり物がつかめるアーム

左手はドリル! ロマンにあふれている

腕の動きにロボットのアームも追従する

「MechBoxer」は足元のペダルで移動して、手元のボタンでパンチを繰り出すメカ。移動はモーター、パンチは圧縮空気で動く。走行部分は左右のモーターを独立制御しているので、両方のペダルを踏み込むことで前進/後進、片方のペダルを踏むとで右折/左折、それぞれのペダルを前と後ろに踏むとその場で旋回できる。実際に動かしてみると、意外に小回りが利いて面白い。

MechBoxer

足元のペダル

手元のボタンを押すと

パンチを繰り出す

「EHV(Empty Handed Vehicle)」は、2輪駆動の乗り物で操作はほかのロボとほぼ一緒。時速4kmで走行することが可能だ。乗り心地は良好で、モーター駆動なので静かな点もいい。手軽な移動手段としてほしくなってしまった。

「EHV(Empty Handed Vehicle)」

ロインド氏もいわば"リアル HAWKEN"ともいえるロボット体験を堪能したようで、「この体験を開発チームにフィードバックする」と笑顔で答えてくれた。