ではインタフェースのチェックといこう。薄さ軽さにフォーカスを当てた製品であるため、搭載するインタフェースは決して多くない。ただそれでもフルサイズのHDMI出力や2基のUSB 3.0(1基は急速充電対応)など、外出先の利用で困らない必須のものは揃っている。

注目したいのはSDカードスロットの設計だ。たいていの製品はスロットが常時開放か、樹脂製のダミー板を挿し込む設計を採用しているが、VAIO Pro 11では開閉するカバーが装着されている。こういう細かい部分の設計がないがしろにされていると気が萎えてしまうものだが、VAIO Pro 11はそうしたユーザ心理をしっかり理解したうえで作られているようだ。

左側面はACアダプタ用端子と排気口のみ

右側面にはHDMI出力とヘッドホン端子、USB 3.0を2基

手前にSDカードスロットを備える。開閉式カバーを設けているのが◎

CPUは最新の低電圧版、メモリは4GB固定

今回入手できたのはベンチ不可の試作機だったが、各種ツールで読み取れる範囲で性能などを考察しておきたい。テスト機のCPUは店頭モデルの「Core i7-4200U」ではなく、CTOで選択できる上位版「Core i7-4500U」が搭載されていた。

この2つのCPUで注目したいのは、第4世代Core iで初めて導入された「CPUとPCHが同じパッケージ」であること。TDPを15Wと低く抑え、革新的なUltrabookを生むために登場したCPUだ。省電力化を追求するため、制御できるUSB 3.0やSATA 3.0のポート数はデスクトップ版のチップセット(Z87など)に比べると少ないが、VAIO Pro 11のようなデバイスに組み込むことを考えたCPUだけに拡張性の問題はない。

VAIO Pro 11の内部。向かって中央やや右、ヒートパイプの先端部にある細長いヒートシンクの下にPCHと1チップ化されたCore i5、その左にSSD、無線LANカードと続く。CPUの下の4つのチップが基板に直付けされたメモリだ

CPUとPCHを1つのBGAパッケージにまとめた第4世代Core iの超低電圧版。VAIO Pro 11にはTDP15WのCore i5が搭載されている(写真は搭載実物ではない)

「CPU-Z」でチェック。まだCPUの型番が正しく表示されていないが、新拡張命令「AVX2」に対応した第4世代Core iであることは読み取れる

「HWiNFO64」でチップセットの型番を確認しようとしたが、未知のチップセット「Lynx Point-LP(Premium)」と表示された

第4世代Core iでは、GPUのランク(Tier:ティアと呼ぶ)はGT1/GT1.5/GT2/GT3の4段階があり、搭載するシェーダー(EU)数はそれぞれ10基/12基/20基/40基となる。もっともEU数が多いGT3がいわゆる「Iris Pro」な訳だが、Core i7-4500Uの内蔵GPUはGT2の「Intel HD Graphics 4400」。第3世代よりは高性能なことは確かだが、低解像度&低画質でのゲーム程度と考えておけばよいだろう。

「GPU-Z」による内蔵GPUの情報。シェーダー数20という情報から、GT2のGPUであることは確認できる

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