まずはシンプルなワイヤレス発光

EOS Mに90EXを付け、270EXをワイヤレス発光させてみよう。90EXとEOS Mを起動し、撮影モードをクリエイティブ撮影モード(プログラムや絞り優先モードなど)にしたら、メニューから「外部ストロボ制御」-「ストロボの発光」-「する」になっていることを確認し、「ストロボ機能設定」を選ぶ。上段中央の「OFF」と書いてある「ワイヤレス」を「ワイヤレス:光通信」にセットする。

撮影モードをクリエイティブ撮影モード(プログラムや絞り優先モードなど)にしたら、メニューから「外部ストロボ制御」を選ぶ

ストロボの発光」が「する」になっていることを確認したら「ストロボ機能設定」を選択

上段中央の「OFF」と書いてある「ワイヤレス」を「ワイヤレス:光通信」にセット

270EXは電源スイッチを「SLAVE」にするだけなので簡単

あとは270EXの電源スイッチを「SLAVE」にして、カメラのシャッターボタンを押すだけだ。明るさはカメラに付けたときと同じく自動制御されるため、270EXを置く場所や距離を、ある程度までなら自由に変えて撮影できる。例えば、270EXを被写体の横に配置すると、これまでとは違った写真が撮れるだろう。

EOS Mの撮影モードをプログラムにしておくと、シャッター速度は1/60秒までしか下がらず、フラッシュの明るさで調整しようとする。しかし、絞り優先モードならシャッター速度が数秒まで下がるため、(三脚が必須となるが)撮りたい写真や場面に応じて撮影モードを変えてみるとおもしろい。いずれにしても、慣れるまでは三脚にカメラを固定すると、撮影しやすいだろう。

270EXをカメラの左上に配置すると、影は被写体のすぐ後ろにできた。クリップオンストロボのように、立体感のない写真になる

270EXを向かって左斜め手前に配置すると、右後方に影。左にあるパイロンの右側が暗くなり、立体感がある

270EXを被写体の向かって左側に配置すると影は右に。パイロンのグラデーションを見ても分かりやすい

270EXを被写体の真上に配置すると影は真下に

思ったよりもフラッシュ光が弱かったり強かったりする場合は、メニューの「ストロボ機能設定」-「調光補正」を選び、発光量を調整できる。

ストロボ機能設定で「調光補正」を選び、発光量を調整できる

調光補正を設定しない状態

調光補正をプラスにして明るくしてみた

90EXは発光しない!?

90EXを使用して多灯撮影をする際、90EXは他のフラッシュをコントロールするためだけに発光し、撮影時は発光しないとマニュアルに書いてある。つまり、上記の撮影は270EXのワイヤレス撮影であって、多灯撮影ではない。実際には撮影時に90EXが発光しているのだが、光量は少なく、ほかのフラッシュを発光させるトリガーの役目ではないかと思う。このときの90EXフラッシュ光は、被写体が鏡のような光を反射しやすいものでない限り、撮影画像に写り込むことはほとんどない。

270EXでリモコン撮影

270EXと320EXにはリモコンボタンが付いており、リモコンボタンを押すことで、離れた場所からワイヤレスでEOS Mのシャッターを切れる。この操作では、リモコン機能でEOS Mのシャッターを切るときに、外部フラッシュを発光できるのもポイントだ。

EOS Mのドライブモードを「リモコン」にしておくと、270EXのリモコン機能が使えるようになる

270EXのリモコンボタンをEOS Mに向けて押すと、2秒後に撮影され、270EXも発光する

EOS Mでリモコン撮影するときと同じように、ドライブモードをリモコンに設定。先ほどの多灯撮影の状態で270EXのリモコンボタンを押すと、2秒後にシャッターが切れる。と同時に270EXも発光。

フラッシュのワイヤレス撮影や多灯撮影では、慣れるまではどこにフラッシュを配置すればよいか、なかなか場所と距離がつかめないものだ。撮影しながら試行錯誤すると思うので、フラッシュは三脚などに固定するより、手に持っていたほうが扱いやすいだろう。270EXのリモコン機能は、EOS Mから離れていても片手で撮影できて便利だった。

―――――

次回は320EXと430EXIIを使い、「2灯撮影」を試してみたい。90EXをマスター、320EXと430EXIIをスレーブとし、320EXと430EXIIの発光をワイヤレスでコントロールする。