6月4日から6月8日まで台湾・台北市で開催された世界最大級のコンピュータ関連イベント「COMPUTEX TAIPEI 2013」。PCやタブレットだけではなく、スマートフォン関連の周辺機器やアクセサリも多数展示が行われていた。中でも会場内で目立ったのは、ワイヤレス充電規格"Qi"のロゴだ。日本以外の国では対応機器の少なさからまだまだワイヤレス充電は普及していないが、今年は端末側の対応が進むことで普及に弾みがつきそうだ。
海外で販売されているQi対応のスマートフォンはNokiaのLumiaの一部機種やGoogle Nexus 4などその数は少ない。iPhone 4/4S用のカバーも販売されているものの、様々なデザインの一般的なカバーを選ぶユーザーのほうが多く利用者はあまり多くない。対応端末が少なければ充電台の種類や屋外での設置場所も増えず、普及への道のりは遠い状況だった。
ところが今年4月に販売開始されたSamsungのGALAXY S4はQi充電に対応。オプションのQiアンテナ内蔵電池カバーに交換するだけでワイヤレス充電が可能になるのだ。本体の内側にQiカバー用の接点があり、カバー交換するとここから給電が行われるのである。
実はSamsungのGALAXY SIIIやNote IIにも本体には同様の接点があったものの、Qi内蔵電池カバーは発売されなかった。しかしこの接点に注目した中国メーカーが手作り感覚の製品を開発し、この両機種をQi充電に対応させた。それはQiのアンテナと本体への接点を持ったフィルム状の製品で、電池カバーとの間に挟みこむだけでQi充電を可能にするのだ。このフィルムアンテナはごく一部の地域で販売されたに留まったが、GALAXY S4も同じ仕組みでQi充電に対応させることが可能だ。なおこちらは、グローバルモデルのS4、SIII、Note IIに対応。ドコモ販売の製品には残念ながら非対応となる。
世界中でベストセラーとなるであろうGALAXY S4がQi充電に対応すれば、ワイヤレス充電の利用者は一気に広がる可能性を秘めている。そのためかCOMPUTEXの会場にはGALAXY S4そしてSIII、Note II用のQiアンテナフィルムが多数のメーカーから出展されていた。