Keplerアーキテクチャの最新モデル、Quadro K600搭載
今回の試用機・LM-QB300SL6-WSは、MicroATXサイズの筐体にQuadro K600とCore i5-3470(動作周波数3.20GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.60GHz)を搭載したエントリーモデルで、79,800円からという低価格が魅力だ。BTOオプションにはQuadro K2000Dが用意されているほか、CPUもCore i7を選択できるなど、必要なスペックを最低限の投資で作り上げていくことができる構成となっている。
従来QuadroはFermiアーキテクチャをベースとしたモデルが中心だったが、この春にGeForceと同じく最新のKeplerアーキテクチャをベースとしたモデルが、ミドルレンジ以下にも一挙に登場し、より高い性能を発揮できるようになった。Quadro K600の「K」とはいうまでもなくKeplerベースの製品であることを示している。
Quadro K600自体は、クリエイター向けとはいえエントリーモデルのGPUなので、必ずしも性能面でコンシューマー向けPCを圧倒できるというわけではないが、メジャーなプロフェッショナル向けクリエイションツールのほとんどは、Quadroで動作検証が行われており、確実な動作と正確な描写が保証される。複数のベンダーがカードを提供しているGeForceと異なり、ハードウェアとドライバの組み合わせで正しい性能が発揮されない心配などもないため、特殊効果のプレビュー時にCPU負荷を下げるエンジンなども確実に動作する。
また、メーカーによって動作が検証されており、パーツの相性に問題がないことが確認されているのも業務利用においては安心できる点だ。あとからQuadroを追加した場合、一部のハードウェアではBIOSレベルでのサポートに問題があるケースもあるが、本機においては当然そのような心配もない。
そのほか、BTOオプションではぜひSSDを加えておきたい。本機では最大16GBのメモリを搭載可能だが、当然のことながらオンメモリで処理しきれない場合、ストレージへの書き出しが発生するので、HDDではスワップのたびにオペレーションの快適さを損なう。本機のカスタマイズ項目としてはSamsung 840の120/250/500GB、Samsung 840 Proの256/512GB、そしてインテル520の120/240/480GBが選択可能で、これは3.5インチベイの下に設けられたSSD専用の搭載スペースに装着されるので、HDDの搭載可能台数を減らすこともない。
そのほか、BTOオプションには多数の液晶ディスプレイが用意されており、予算とニーズに応じて、本体とディスプレイを同時購入できるのもメリットだ。今回は、27型の大画面ながらセット購入価格25,200円とリーズナブルな「iiyama ProLite XB2780HSU」を試用したが、広い視野角と高い色再現性で定評のあるEIZOの「ColorEdge」シリーズもラインナップされており、正確なカラーマネジメントが必要な用途にも対応できる。
コンテンツ制作においては、クリエイターの想像力をストレスなく作品に落とし込める環境が理想的だ。現在クリエイションツールを使用しているが、表現したいことに対し、マシンの動作がついてきていないと感じるならば、クリエイター向けPCの導入を検討してみるのも一案といえるだろう。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
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型番 | LM-QB300SL6-WS |
CPU | インテル Core i5-3470 |
メモリ | 8GB PC3-12800 DDR3 |
HDD | 500GB SerialATAIII |
チップセット | インテル B75 Express |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
グラフィックス | NVIDIA Quadro K600 |
OS | Windows 8 64ビット |
LAN | ギガビット(10/100/1000)LAN |
インタフェース | USB 3.0×4(前面×2、背面×2)、USB 2.0×4(背面×4) |
サイズ | W180×D382×H373mm |
ディスプレイ | - |
価格 | 79,800円(税込) |
上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。
価格・構成については、2013/5/29(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。