LTEに関しては、世界各国でさまざまな周波数帯で提供されているほか、FDD/TDと異なる方式も混在している。「我々のゴールは、これらを心配しなくても製品が提供できることだ」とMollenkopf氏は語り、複数の周波数帯を一度にカバーする方針。これもQualcommのアドバンテージとして強調する。

SnapdragonはCPU以外にもさまざまな機能を1チップ化している

さまざまな通信方式、周波数帯域が利用されており、これをカバーすることが目的

現在のSnapdragonは、ハイエンドスマートフォン/タブレット向けに「Snapdragon 800」が提供されており、搭載製品は今年下期に登場する予定。従来のSnapdragon S4 Proに比べて75%の性能向上を実現し、クアッドコア、2.0GHz以上のクロック周波数が可能だという。このほか、スマートフォンやタブレットの上位機種向けとして「Snapdragon 600」を用意。多くのユーザーが利用できるように低価格で実現したローエンド向けの「Snapdragon 200」も提供する。

さらに、クアッドコアプロセッサを搭載し、マス市場にLTE対応端末を投入できるというコストパフォーマンスを強化したモデル「Snapdragon 400」を用意。同製品は、LTE Advanced/CAに対応し、TD-SCDMAを含む7つの通信モードをサポートしている。

4つのクラスに向けたSnapdragonシリーズ

それぞれのチップセットを搭載した製品の例

Snapdragon 400の特徴

こうしたSnapdragon搭載製品をより開発しやすくするために、Qualcommではリファレンスデザインを供給しており、これを元に40以上のメーカーが200種類上のデバイスをリリースしている。さらに、新たに7インチと10インチの液晶を搭載したタブレットのリファレンスデザインも提供を開始。Snapdragon搭載端末のさらなる拡大を目指す。

リファレンスデザインでは新たにタブレットも提供

さらにMollenkopf氏は、Windows RT 8.1のSnapdragonサポートについて説明。Snapdragon 800や既存のSnapdragon搭載Windows RTマシンは、今後RT 8.1もサポートする。すでに発売済みの「XPS 10 Tablet」にWindows RT 8.1を搭載したモデルが動作する様子を紹介した。

デモで使われたWindows RTマシン。左のXPS 10 Tabletでのデモで、その横にはリファレンスデザインも置かれていた

スナップ機能でブラウザと動画再生を同時に実行するデモ

最後にMollenkopf氏は、スマートフォンが現在のコンピューティング環境をさらに加速させる鍵となるプラットフォームだと指摘。スマートフォン向けのアプリケーションが、テレビをはじめとしたさまざまなデバイスへ拡大していく時代になるとアピールして講演を終えた。

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