「SSDの登場は白黒からカラーテレビに進歩したのに等しい変革ではないでしょうか」

PLEXTOR事業を統括するCharlie Tsengゼネラルマネージャー

SSDが大きな注目を集めるなか、PLEXTORの存在感が高まっている。PLEXTORブランドのSSDは、2008年に第1号製品を投入して以降、性能面と信頼性において高い評価を得ており、高速ストレージとしてのSSD活用をリードしてきたといえる。2011年に投入した同社独自のTrue Speedテクノロジーによって、SSD性能の新たな基準を確立。また、True Protectでは、プロフェッショナル向けSSDとして高い信頼性を確立することに成功するなど、リーディングカンパニーとしての位置づけはますます強固なものになっている。今後の市場拡大が見込まれるなかで、PLEXTORのSSD事業はどうなるのか。PLEXTOR事業を統括するCharlie Tsengゼネラルマネージャー(総経理)に話を聞いた。

マイナビニュース(以下、MN):日を追うごとに、SSDへの関心が高まっています。SSDの需要動向の変化、市場変化をどう捉えていますか。

Charlie Tsengゼネラルマネージャー(以下、Tseng氏):PLEXTORは、1995年からCD-ROMの製造を行い、それ以来、ODD事業を主軸としてきましたが、2000年代に入り、ODD以外の分野にも進出し、新たな事業の柱を構築したいと考えていました。そこで、2008年から新たにSSD市場に参入したわけです。もともとODDとSSDの技術には似ている部分がありましたし、SSDという新たな技術の可能性を強く信じていました。そして、SSDが持つ魅力にエンドユーザーが気づき、SSDに対して強い関心を持つようになったことで、SSD市場における当社への関心が急速に高まってきた、というのがこの数年の流れです。

ご存じのようにSSDは、ハードディスクに比べて圧倒的な速度を持っていますし、ノートPCのディスクをハードディスクからSSDに換装しただけで、新たなノートPCを購入したようなスピード感を体験できます。また、耐衝撃性、耐久性があり、静音性の面でもメリットがある。ハードディスクとはまったく異なる体験を享受することができます。かつて、モノクロテレビがカラーテレビに変わって、世の中は大きな変化を遂げました。そして、一度、カラーテレビをみた人は、モノクロテレビに戻ろうとは思いません。それと同じようなことが、SSDによってもたらされているのではないでしょうか。

PLEXTORが、2008年にSSD市場に参入して以来、市場は毎年50~60%増という大きな成長を遂げています。個人の一般PCユーザーや、プロフェッショナルユーザー、企業ユーザーのほか、OEMメーカーからも引き続き旺盛な需要があり、PLEXTORでは、それぞれの市場に向けた最適な製品を投入していくつもりです。SSDは、今後5年間というなかでみても、もっとも高い成長を遂げる分野であると考えています。

MN:PLEXTORにおけるSSDの売り上げ比率はどの程度になっていますか。

Tseng氏:SSDの売り上げ比率は約40%です。これをもっと引き上げたいですね。3年後には、SSDの売り上げ比率を80%にまで高めたいと考えています。現在、当社売り上げの6割を占めるODDは、これから需要が停滞すると予測されますし、SSDの成長率を想定すると、80%の売り上げ構成比に達する可能性は高いのではないでしょうか。

MN:これだけの成長を遂げると考えていましたか。

Tseng氏:2008年にSSD市場に参入した際には、ここまで大きな成長を遂げるとは考えていませんでした。予想以上の伸びです。市場参入当時には、ハードディスクと比べてSSDの価格は非常に高いものでしたから、成長幅はそれほど大きくないとみていたというのが正直なところです。

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