経済誌などの報道によると、カシオ計算機の2013年3月期の連結営業利益は前の期比2.2倍を記録。腕時計の売り上げが海外を中心に伸びたといい、代表的ブランドのG-SHOCKは、その牽引役となっている。しかも、ご存じの通り今年はG-SHOCK 30周年のアニバーサリーイヤー。BASELWORLD 2013でのカンファレンスでも宣言されたとおり、カシオはG-SHOCKの世界展開に一層の力点を置いていくという。
そこで、BASELWORLD 2013のカシオブースにて、カシオ・ヨーロッパとカシオ・イタリアのスタッフを直撃! G-SHOCK欧州市場の展開と現状についてお話を伺った。
ヨーロッパ7都市を縦断するカルチャーイベント「Gセッションズ」が開幕!
G-SHOCK 30周年を契機に、カルチャーイベントの「SHOCK THE WORLD TOUR」が大規模化、さらに世界各地にG-SHOCKストアがオープンするなど、グローバルなマーケティングが加速するG-SHOCK。ヨーロッパ地区独自のイベントや販売展開などのプロジェクトは計画されているのだろうか。
ストゥルーマン氏「ヨーロッパの7都市に、期間限定のG-SHOCKポップアップストアを順にオープンさせます。場所は、ミラノ(実施済み)、マンチェスター、バルセロナ、ベルリン、アムステルダム、パリ、サンクトペテルブルクです。
設置期間は都市ごとに多少の差がありますが、2週間~4週間。もちろん、そこでG-SHOCKを買うこともできますが、より大切な役割は、このポップアップストアが情報発信の基地になるということ。各ポップアップストアは、ヨーロッパを縦断するG-SHOCKカルチャーイベント『Gセッションズ』の舞台となるのです」
―― そのGセッションズについて、詳しく教えてください。
ストゥルーマン氏「まず、ポップアップストアが設置される都市ごとに、カシオがアンバサダーを選出します。このアンバサダーは、その地域のアートやパフォーマンスに精通した人物ですね。彼らは、自分の町のクリエイティブな個人、集団に声をかけ、ポップアップストアに連れてくる。そこで代表となるアーティストを選出します」
―― そのアーティストたちには、何か表現しなければならない課題のようなものがあるのですか?
ストゥルーマン氏「G-SHOCKをテーマとしたクリエイティブやパフォーマンス表現です。G-SHOCKのコンセプトは、タフネステクノロジーを縦の軸とすると、スポーツ、アート、ミュージック、ファッションという、いわゆる『4 theaters of life』を横の軸として成立していますが、Gセッションズでは、このコンセプトを表現として競っていただくのです。
G-SHOCKの文字板やケース、パッケージングのグラフィックデザインでもいいし、G-SHOCKのテーマソングでもOK。タフネスを強調したダンスや映画、CM映像など、何でもいいのです。私たちも何が出てくるか分からないし、すごく楽しみにしています。
各都市の代表に選ばれたアーティストは、30日以内に自分の作品を具現化します。そして2013年の11月27日、ベルリンに場所を移して行われるGセッションズのクロージングイベントで、各都市代表の中から、真の勝者が決定されます」
Gセッションズの公式サイトは、すでにオープンしている |
―― アーティストの作品やパフォーマンスは、各都市のポップアップストアで見ることができるのですか?
ストゥルーマン氏「いいえ。それらは、Gセッションズの公式facebookページと公式サイトで見ることができるようになります。このfacebookページと公式サイトには投票システムも設置されるので、オーディエンスはここから自分のお気に入りの作品に投票することができます。
その結果が、11月のクロージングイベントで発表されるというわけです。投票システムは2013年10月末に設置され、勝者決定の直前まで、1カ月間、投票を受け付けます。Gセッションズの最終的な勝利作品は、来年(2014年)に発売される限定モデルのモチーフとなる予定です」
―― それは投票する側としても熱が入りますね。この作品のG-SHOCKが欲しい! って思いますもんね。ところで、その限定モデルは、日本では発売されないのですか?
ストゥルーマン氏「Gセッションズはヨーロッパ限定のイベントで、限定モデルも同様です。とはいえ、エントリー作品の閲覧も投票も、日本からでもできます(笑)」
デザインやファッションの本場、ヨーロッパの最優秀作品がモチーフとなるというG-SHOCK限定モデル。日本のファンとしても大いに気になるところだ。
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