シャープは5月23日、各携帯電話キャリア向けに提供している携帯電話の新製品を報道関係者向けに公開。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイル向けに端末を供給している。同社通信システム事業統轄兼通信システム事業本部長の長谷川祥典常務執行役員は、IGZO液晶の搭載を全てのスマートフォン・タブレットへと拡大し、今後もラインナップを充実させて、国内シェア1位を確保したい考えを示している。
シャープの今夏のラインナップは、ドコモ向けに「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」「AQUOS PHONE si SH-07E」「AQUOS PAD SH-08E」を、KDDI向けに「AQUOS PHONE SERIE SHL22」を用意。ソフトバンク向けに「AQUOS PHONE ss SoftBank 205SH」「AQOS PHONE Xx SoftBank 206SH」「シンプルスマホ SoftBank 204SH」を提供する。
同社のスマートフォンでは、IGZO液晶の搭載を進めている。同社の初販売計画では、IGZO液晶を搭載したスマートフォンの割合を2012年度下期のラインナップで30%としていたが、これを超える40%強の搭載製品の出荷。今後、さらに強化していき、2013年度は60%程度まで拡大、2014年度には搭載製品を100%まで引き上げる方針だ。
IGZOのメリットとして、長谷川氏は次の3点をアピールする。「従来のアモルファスシリコン液晶と同じ透過率で約2倍の高精細化」「静止画表示時に書き換えを減らす『アイドリングストップ』による省電力」「画面タッチ時のノイズを抑えることでより正確なタッチができる」。加えて、今回のラインナップでは、「460ppiという高精細なフルHD液晶を搭載」「通常利用で3日間のバッテリ持続時間」「ペン操作も快適な高感度のタッチ性能」を実現している。
デザイン面では、ユニボディ構造や液晶の狭額縁化、持ちやすさに配慮した形状などに注力。機能面では、ジェスチャーや音声などの新しい操作性、フルセグ搭載、液晶テレビAQUOSとの連携といった新しい取り組みも行った。
同社では、夏モデルの開発思想として「Feel Logic」を掲げている。各モデルで共通したコンセプト「FEEL artist」「FEEL photographer」「FEEL musician」「FEEL UX」を挙げる。
FEEL artistは、IGZOと記憶色を重視した高画質エンジンの搭載による画像表現。HSV色空間に対応し、人の肌、空の青、山の緑などで、鮮やかな色表現を可能にしたほか、周囲の色温度に応じて画質を調整する「ユースフィットモード」を搭載するなど、幅広い機能を備えた。
「FEEL photographer」は、新開発の画像処理エンジンで、作例をプロの写真家に見せながら調整を行ったことで、ノイズの低減、色再現性など「絵作り」にこだわったと言う。また、カメラのUIも一新し、より直感的に使えるようにした。