ボディは「GR」シリーズらしいデザインで、ブラックカラーに大型のグリップなど、基本的なスタイルは踏襲されている。従来のGR DIGITAL IVが108.6(W)×59.8(H)×32.5(D)mm、約219gで、GRは117(W)×61(H)×34.7(D)mm、約245gとなり、わずかに大きく重くなった。それでも、比べてみなければ分からない程度で、例えばフィルムカメラの「GR1」との比較では幅と高さは同等。APS-Cサイズセンサーを搭載していると考えれば、非常にコンパクトなサイズに収まっている。

前面のデザインはそれほど変更ないが、外部AFセンサー窓がなくなり、マイクがレンズ上部に移動してステレオになった。ブランド名の変更に伴い「GR DIGITAL」が「GR」になったが、従来どおり革シボが張り付けられたグリップの手触りはよく、持ちやすい。

フラッシュは従来どおりポップアップ式。グリップは幅広で持ちやすい

天面は、右からロックボタン付きのモードダイヤル、シャッターボタン、アップダウンダイヤル、電源ボタン、ホットシュー、フラッシュが並ぶ。ロックボタンや横長のシャッターボタン、その前面のダイヤルといった配置は変わらず、使い勝手は従来どおりだ。

背面には3型123万ドット液晶を搭載。その右側にボタン類が並ぶ。上から、ADJ./ISOレバー、AFファンクション切り替えレバー、拡大表示ボタン、再生ボタン、円形の十字ボタン、セルフタイマー/Fn2ボタン、DISPボタンが配置されている。

本体天面はシンプルなボタン配置で、従来どおり

本体背面。ボタンが増えて配置が一部異なっているが、ほぼ従来どおり

いくつかボタンの名称が変更されているほか、新たにAFファンクション切り替えレバー&ボタンが新設された。おなじみのADJ.レバーや2つのFnbボタンは変わらず、カスタマイズ性は高い。

正面から見て右側面には、フラッシュオープンスイッチに加えて、絞りプレビュー/エフェクトボタンが新設された。

本体側面。絞りプレビュー/エフェクトボタンが新設されている。USB端子からのUSB充電にも対応するが、端子形状は独自のようだ

ボタンは増えたが、基本的なスタイルは変わらず、ボタン類の操作性も従来どおりと言っていいだろう。ただ、ボタンの新設や機能追加で、使いやすさが向上している。

豊富なカスタマイズで使いやすく

操作系では、まずはモードダイヤルにTAv(シャッター&絞り優先AE)モードが追加された。これはペンタックスブランドのカメラではおなじみのモードだが、絞りとシャッタースピードを設定すると、それが最適露出になるようにISO感度をコントロールする、というモード。マニュアル露出だと、オートISO感度が動作しないため、ISO感度も手動設定しなければならないが、TAvではその必要がない。

新設されたAFファンクション切り替えレバー&ボタンは、コンティニュアスAF(C-AF)とAE・AFロックの切り替えができる。C-AFにすると、レバー中央のボタンを親指で押すと中央1点でAFが動作し、AFが被写体を追尾する。シャッターボタン半押し時のAFは変わらないので、C-AFとの使い分けができる。

ロック付きのモードダイヤル。TAvモードが追加されている

新設されたAFファンクション切り替えレバー&ボタン。中央のボタンを押すことで、いわゆる親指AFが可能

AEL・AFLにレバーを切り替えると、中央ボタンを押すとAFが動作してAFLされ、シャッターボタン半押しでAELとなるので、AFとAEを簡単に使い分けられる。

AFは、十分な光量がある場合には速く、公称では0.2秒となっている。外部パッシブセンサーが省かれたが、それでもGR DIGITAL IVよりも速くなった。さらにマクロ撮影時は同0.4秒と高速化されている。実際に使ってみた限りは、光量次第では十分に高速だが、AF補助光が必要なレベルになると、AF速度はちょっと遅くなる印象だ。

また、これまで「1cmマクロ」に対応していたGRシリーズだが、センサーの大型化にともなって、マクロモードでもレンズ前10cmまでしか近寄れなくなった。前機種の気分で近寄ると一瞬戸惑ってしまう。

ADJ.レバーは、M/TAvモードでシャッタースピードか絞り(設定で入れ替え可能)の変更に使えるほか、押し込むことで5つの機能に素早くアクセスできる。よく使う設定を登録しておけば、ADJ.レバーを押し、そのままレバーを倒して機能選択、拡大表示ボタンで項目選択を行って素早く設定できる。カスタマイズにも対応しており、メニューからよく使う機能を選ぶことが可能。

ADJ.レバーはさまざまな設定を割り当てられる。ADJ.レバーを左右に倒すと、そのままISO感度が変更されるダイレクト設定も可能

さらに「ADJ.ISOダイレクト変更」設定もあり、これをONにすると、ADJ.レバーを倒すだけで、ISO感度設定が変更される。この場合でも、露出操作に使うのでM/TAvモードではダイレクト変更が動作しない。

これに十字ボタン左のFn1、セルフタイマーボタンのFn2、さらに側面のエフェクトボタンに機能割り当てが可能になっており、より使いやすい設定で撮影できる。

Fn1、Fn2、エフェクトボタンに機能を割り当てられる

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