機能面で注目したいポイントは、「オートフレーミング」機能がどこまで役立つか、ということ。この機能は、従来モデルでは「オートポートレートフレーミング」と呼ばれていたもの。人物の顔をカメラが検出した上で、ポートレート写真の構図として見栄えがよくなるように、画像を自動的にトリミングして記録する機能だ。切り出された画像は、全画素超解像技術によってオリジナル画像と同じ画像サイズを維持できるようになっている。

NEX-3Nのオートフレーミング機能では、新たに2人までの人物撮影に対応したほか、人物以外のマクロ撮影や、動く被写体に対する追尾撮影の際にも自動でトリミングが働くように改良されている。

使い方は、オートフレーミングの設定を「AUTO」(オン)にして撮影するだけ。被写体に応じてオートフレーミングが作動すると、シャッターボタンを半押しした際に液晶の左下に「AUTO」と記された緑のアイコンが表示される。そして、その状態でシャッターを押し切ると、オリジナル画像とトリミング画像の2枚が同時に保存されるのだ。

オートフレーミング作動中の液晶画面。画面の左下に「AUTO」と記されたアイコンが表示される

オートフレーミングで撮影直後のレビュー表示画面。トリミングの枠が白い線で表示される

オリジナル画像(原寸大画像を見る)

オートフレーミングを適用した画像(原寸大画像を見る)

どのようなルールでトリミング(フレーミング)が行われるかは明らかにされていないが、撮影結果を見る限り、被写体が1人の人物である場合は「三分割法」に沿って画面が切り抜かれるようだ。つまり、上の写真のように画面内に1つの顔がある場合は、その両目の間(眉間のやや下)が、画面全体を上下と左右に3分割した線の交点に配置されるような形でトリミングが行われる。

また、下の写真にように画面内に2つの顔がある場合は、必ずしも三分割法ではなく、2つの顔が画面内でより大きく見えるようなトリミングが行われる。注意したいのは、顔検出やオートフレーミングの作動はリアルタイムで刻一刻と行われているため、撮影中に被写体の1人が少し動いて顔検出から外れると、その瞬間に撮ったカットでは動かなかった1人のみを対象にしてトリミングされる場合もあることだ。

オリジナル画像(原寸大画像を見る)

オートフレーミングを適用した画像(原寸大画像を見る)

次の写真は、花のマクロ撮影でオートフレーミングを適用したもの。マクロの場合は、ピントを合わせたメインの被写体の中心が三分割ラインの交点に配置されるようだ。

オリジナル画像(原寸大画像を見る)

オートフレーミングを適用した画像(原寸大画像を見る)

オリジナル画像(原寸大画像を見る)

オートフレーミングを適用した画像(原寸大画像を見る)

なお従来製品と同じく、最初から引き締まった構図で撮ろうとした場合は、オートフレーミングの設定が「AUTO」になっていてもトリミングは行われず、オリジナル画像のみが記録される。トリミングが行われるのは、引き気味の少々ゆるい構図で撮った場合のみである。

このほかにもさまざまな被写体でオートフレーミングを試してみた。結論としては、オリジナル画像とオートフレーミングの適用画像のどちらが良いかは一概にはいえないが、メインの被写体の上下左右に生じた無駄なスペースをカットし、構図を引き締める効果はあるといえる。

撮影に慣れた中級者や上級者にとっては不要な機能だが、ビギナーが構図を意識し、構図について考えながら撮影をするきっかけになるという点では意味のある機能なのかもしれない。

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