今後、メインの周波数帯として800MHz帯でエリアを広げ、スポット的にトラフィック対策として1.5GHz帯を利用。さらに15MHz幅を割り当てられている2GHz帯を使い、高速なサービスを提供していく。

2GHz帯では、四国の一部地域から下り最大100Mbpsの高速サービスの提供を開始。現行端末は全てLTE Cat.3端末のため100Mbpsまでしか対応しないが、今後LTE Cat.4対応端末をリリースし、下り最大112.5Mbpsまで対応できるようにする。この下り100Mbpsに関しては、夏モデル4機種に加え、iPhone 5/iPad Retinaディスプレイモデル/iPad miniが対応する。なお、100Mbps対応エリアの拡大計画に関しては、現時点で具体的な数字は明らかにされていない。

リアル生活と連携するauスマートパス

KDDIでは、マルチデバイス、マルチネットワーク、マルチユースの「3M戦略」を打ち出し、それにもとづいて「スマートパスポート構想」を提案している。その中で、固定回線と連携して通信料を削減する「auスマートバリュー」、スマートフォンコンテンツの定額利用サービスなどを提供する「auスマートパス」の2種類のサービスをリリースしてきた。

2つの「スマート」サービスを提供

スマートフォンユーザーは順調に拡大している

田中社長は今後、「スマートフォンで何かがやりたい」という要望が強くなるとみている。この「何か」について、「街を歩いていると自分好みのクーポンが届く」「テーマパークの待ち時間が0分になる」「スマートフォン1つで旅行できる」といった例を挙げ、こうしたことが実現できるサービスを目指していく考えを披露する。

「使いこなす」をサポートするキャリアとして、リアルに向けたサービスを提供する

このため、まず今年は、「スマートフォンが生活と繋がっていく可能性をサービス化していく」とのこと。それが「3M構想の第2弾」となる「スマートリレーションズ構想」だという。「リアルな生活とのつながり」を強化することで、ユーザーがスマートフォンをさらに使いこなせるようになることを目指した。

スマートリレーションズ構想

auスマートパスは、月額390円の定額料金で、アプリ使い放題、クーポン提供などのサービスで、2012年3月に提供を開始。すでに600万加入を突破し、「auのサービス史上、最速の達成」(田中社長)を果たすほど好調だという。Android向けだけでなく、iOS端末向けにもコンテンツなどを提供し、順調に拡大している。

スマートパスはすでに600万加入を突破し、固定料金で各種サービスを提供してきた

田中社長は「auスマートパスを次のステージへ」引き上げるために、新たに「リアルな生活」「PUSH」というコンセプトの新サービスを提供する。これは、さまざまなパートナー企業と協業することで、リアルな生活で活用できる情報やサービスを提供するサービスで、auスマートフォン向けポータルサイトを一新し、「タイムラインUI」で情報をプッシュして配信する。

例えば、業務提携したぴあとの連携では、会員限定のチケット先行予約・音楽ライブ・映画試写会と言ったサービスを提供。これをTwitterのように最新情報が順次配信される「タイムライン」上で確認できるようにする。

新たに、リアルな情報配信の企業などと協業し、新たな情報提供を行う。ぴあと協業したライブ特典なども提供する

「プッシュ型」の情報配信とは言え、当面は端末上に実際に配信するのではなく、ポータルサイトにアクセスすると、5~15分間隔で最新情報が順次更新される仕組みにした。「タイムライン」には短い情報を表示し、気になるものがあったら、それを選択すると詳細画面が表示する仕様。ニュースを確認したり、アプリをダウンロードしたり、クーポンを入手したりといった操作が可能だという。

「タイムラインUI」で、各種情報が一定間隔で更新され、詳細情報を確認できる