「モーショントラッキング」など充実の新機能
さて、今回の注目機能といえば「モーショントラッキング」。モーショントラッキングは、動くオブジェクトと共に移動する画像アイコンや吹き出し文字などを設定できる機能だ。運動会のリレーなどで自分の子供の上に矢印アイコンを付けて、見失わないようにすることも容易なのだ。また、指定オブジェクトにはモザイク処理が施せるので、車のナンバープレートや人物にモザイクをかけ、プライバシーを保護できる点もアドバンテージ。これまでは、専用ツールで少しずつずらして設定していたが、今回は最初に設定するだけでオブジェクトを追尾してくれる。実際に試してみると、目の前に別のモノが通り過ぎるなどで、状況によっては、長く追尾してくれない場合もあったが、追尾性能は非常に優秀。再設定も容易だ。
また、映像内に決定的瞬間だけを変更するスピード変速機能も便利。サッカーのゴールシーンや子供の飛び跳ねて遊んでいるシーンをスローモーション再生したり、変わり映えしない散歩シーンで速度を上げてコミカルに表現したりと、手軽にドラマチックな映像作品を生み出せるようになった。
そのほか、「モーション生成」を使えば、ビデオや画像、タイトル文字などのオブジェクトを自由に動かせる。ドラッグ操作で拡大・縮小、回転、歪み、影といった変化を任意で加えられるほか、あらかじめ動きを設定した「パスライブラリー」で、複雑な動きも簡単に適用できる。オリジナルの動きをパスライブラリーに登録することも可能だ。また、機能強化によってストップモーション機能もパワーアップ。デジタル一眼レフカメラをサポートすることで、高画質なクレイアニメ制作も行えるようになった。 Ultimate版のみの新機能としては、筆記体がリアルに描かれていくタイトルアニメーションを作成できる「proDAD Handscript Animation」と、より細かいビデオクリップの色補正と階調補正が行える「NewBlue FX ColorFast」を装備。特に結婚式やクリスマスパーティービデオなど、作品作りに高い効果を発揮してくれるプラグインとなっている。
従来の機能や使いやすさはそのままに、より便利に軽快に進化し続ける"ビデオスタジオ"。ぜひこのビデオ編集ソフトで作品を作り出す楽しみを見いだしていただきたい。