――自分の演じるキャラ以外で気になるキャラクターはいますか?
森田:蒙恬と王賁はキャラが立っていて好きです。原作を読んでいても、信を含めた三者三様の生き様はたまらない。役としても、いつ足下をすくわれるかわからない相手として気になる存在です。蒙恬はすぐに仲良くなってくれたんですが、王賁がしたたかで。この関係もドキドキしてたまりません。
福山:まだ、アニメでは登場していないんですが、桓騎(カンキ)と王翦(オウセン)。この2人が気に入ってます。
細谷:交渉術に長けた李牧(リボク)ですね。文官の佇まいなのに、ある人から見ると、たくさんの修羅場をくぐり抜けてきた武将だ! というあのキャラは気になりますね。
森田:第2期の始めに、李牧と呂丞相(呂不韋)の舌戦があるんですが、ここは見どころの1つ。国をかけて言葉で戦う2人の恐ろしさ、駆け引きの凄さに注目してほしいですね。
野島:現段階では、蒙恬を気にして一番大事に関わっていきたいと思っているので、今はほかのキャラクターのことを考える余裕がありません(笑)
熱い声優陣で固められた男気あふれるキングダムの世界
――この作品の魅力とはどこにあると思いますか? 一言でお願いします。
福山:熱量
森田:激しさ
細谷:みんな必死で生きている
野島:そんな時代がありました
――キングダム第2シーズンの見どころを教えてください。
森田:信がどれぐらい成長したのかを見てほしい。イメージとしては、いとこの子供が成長するような変化を台詞などで見ていただけたらなと。見どころとしては、第2話で李牧との再会を果たしたシーンです。李牧に対して言う台詞は、信の成長と今まで持っていた熱さが込められているのでぜひ見てください。
福山:第1期では王騎の壮絶な死を受け、信が矛を託されるところで終わりました。第2期では第1期の"動の戦い"と異なる"静の戦い"に注目してほしいですね。手練手管を使う大人たちのひりつく戦いを楽しみにしてください。また、第1期のキャラクターの心情や内に秘めたものも色濃く出てるので、そういう部分も面白いところ。嬴政に関しては、いかにして大王としてやっていくのか、どう成長するかを注目してください。
細谷:王賁は小さい頃から戦人として育てられたエリートなので、身分の差をわからせるような台詞が出てきます。一見すると冷たい人物に見えますが、実はものすごく信の存在を意識している。それは嫉妬に近いような、押さえきれない感情だと思うので、王賁の僕が演じる台詞の中でそれを汲み取っていただける様にがんばります!
野島:蒙恬は熱い男の世界の中で、ひょうひょうと現れるので、なんだこいつは? と思って注目していただけたらうれしいですね
――役作りにおいて第1シーズン、第2シーズンで変化はありますか?
福山:嬴政に関してはほぼ変えていません。ですが、見ていて変化があるのであれば、信と河了貂(カリョウテン)と政の3人でいるときの会話ですかね。笑ったり、やわらかい口調であったりということは今までなかったので、そのあたりのちょっとした部分に変化はあるのかも。後々になりますが、女官との会話などもあり、張り詰めた部分以外のところで変えていくかも知れません。
森田:信は見た目にも成長しているので、第2期では以前よりも声を少し太くして演じています。あまり太くしすぎると大人になりすぎるので、微妙なさじ加減は悩んでいるところですが。基本的には荒々しく喋っているけれど、これまではない相手の気持ちを汲み取った言い回しをするようになったので、それを台詞に込めています。やっぱり高い声より、低い声のほうが人は説得できると思うので、そのあたりも気をつけたり。もちろん、荒々しさを残しつつ、天下の大将軍になるんだという気持ちはずっと頭に置いています。
――最後にファンの方へのメッセージをお願いします
細谷:この作品に関わらせて頂けて幸せに思います。男性ファンが多いので、『キングダム』の世界を壊さぬよう、同姓にも認めて頂けるように頑張りますのでよろしくお願いいたします。
野島:原作のある作品なので、どう映像化されるのか楽しみに第1期を見させてもらいましたが、原作に負けず劣らず、すごい迫力。とても熱量を感じる作品に仕上がっていました。今回、その中に入らせてもらったので、その熱量に乗り、世界観を壊さないようにがんばりたいと思います。
福山:第2期から新しいメインキャラが加わり、素晴らしいスタッフも集結しました。原作に負けないような熱量で台詞を紡いでいきますので、原作好きの方も、アニメ好きの方も、ぜひご覧ください。皆さん一緒についてきていただければ幸いです。
森田:やっぱりすごい作品だと思います。劇画の少ないこの時代、熱さや猛りなどを感じてください。『キングダム』のテーマである"生き抜く"ということがどういうことなのかもお伝えできるかと思います。実は僕自身、最近、アナフィラキシーショックで死にそうになりました。その死の狭間から無事に生還して思ったのが"生きていることは勝ち"なんだなということ。どういう形であれ、生きることが一番だと。逆に言うと、死も身近な所にあります。今、"生"を拾って、この作品をやらせていただいています。"生きる"ということを画面を通し、スピーカーを通し、その意味を、一端でもいいので真面目にとらえていただけたらと思います。
『キングダム』第2シリーズは、6月8日よりNHK BSプレミアムにて、毎週土曜23:45より放送スタート。
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