世界初のパッケージ版も登場した「Dropbox」

インターネット経由でアクセス可能なサーバーマシンのディスク領域を提供する「オンラインストレージ」サービスは、ストレージデバイス増設のコストダウンや、ネットワーク利用環境の充実により、人気を博しています。当初はビジネスユーザー向けの有料サービスが中心でしたが、現在では一定容量を無料で利用できる個人向けサービスが広まりました。Windows 8や新しいOfficeでも自社製オンラインストレージとの連動性を高めて、ユーザーの利便性を向上させています。

その一方で無償使用可能なオンラインストレージの難点に数えられるのが容量不足。図01は主要な個人向けオンラインストレージサービスの容量/アップロードに絞ってまとめたものですが、どれも数ギガバイトにとどまっています。本来オンラインストレージは、執筆などの文章作成やプレゼン資料などの文書作成時に必要な資料はひな形データをアップロード、もしくはローカルディスクの特定フォルダーと同期し、出先で空いた時間に手直しするなど、作業環境が制限されないのが、大きなメリットの一つ(図01)。

図01 代表的な個人向けオンラインストレージサービス

また、最近では単独のモバイルWi-Fiサービスや、スマートフォンをWi-Fiルーター化するなど、インターネット接続環境は整いつつあります。しかし、外出先でも常に同じ作業環境となりますと、無料プランによる数ギガバイト程度では容量不足。本格的にオンラインストレージを利用する場合は、どうしても有料プランを契約しなければなりません。図02は2013年5月現在の各個人向けオンラインストレージサービスの有料プランをまとめたものです。例えばSugarSyncには30日間の無料トライアルが用意されていますが、それらの情報は割愛しました(図02)。

図02 個人向けオンラインストレージの各有料プラン

図03 世界初の「Dropbox」パッケージ版。100ギガバイトを1年利用できるクーポンコードが付属します

こうして並べてみますと、オンラインストレージの容量を100ギガバイトに増やすには4.49~9.99ドル/月の追加費用が必要となります。MicrosoftのSkyDriveのみ月契約は用意されていませんが、4,000円を12(カ月)で割ると333円となり、もっとも割安であることが確認できました。もっともオンラインストレージの選択は安い・高いではなく、自分が使いやすいUI(ユーザーインターフェース)であるかがポイントとなります。筆者も各オンラインストレージサービスを試してきましたが、現在は以前から使い続けていたDropboxに、SkyDriveを併用する形で運用中。

そのDropboxですが、先頃世界初のパッケージ版がリリースしました。ソースネクストが販売する同パッケージ版は、100ギガバイトを1年間利用できるクーポンコードを同こんし、約8,500円で販売するとのこと。前述のとおり同有料プランは99.99ドル。執筆時点のドル/円為替レートは100円のため、1,500円ほどお得な計算となります。また、家電量販店のオリジナルポイントによる割引を利用すれば、より安く100ギガバイトのオンラインストレージを手に入ることができるでしょう(図03)。

今回はDropboxを利用し、場所を選ばない作業環境の構築を目指すハウツーを紹介します。もちろんSkyDriveやGoogleドライブ、SugarSyncなど各オンラインストレージサービスも、同様の環境を構築できますので、場面を読み替えてご覧ください。なお、同期処理を行うクライアントの機能によっては実現できない手順や、より優れた運用方法ができる可能性もあります。お使いのオンラインストレージの特性を踏まえつつ、試行錯誤してください。