海外旅行先でスマホを買って活用することはできるのだろうか? 予算は1万円。今回はマレーシアの首都、クアラルンプールでSIMフリーのスマホを探してみた。

SIMフリーで1万円台はエントリーモデル

クアラルンプールも街行く人たちの使う携帯電話もスマホがすっかり増えている。マレーシアで販売される携帯端末はSIMフリーが原則なので、事業者で2年契約を結び端末を割引価格で購入してもSIMロックはかかっていない。そのため各国のプリペイドSIMを自由に利用できる利便性があるものの、欧米のようにSIMロックのかかった格安スマホは売られていない。

実はマレーシアに限らずアジアの多くの国が同様に端末はSIMフリーで販売されている。そのため端末の販売価格はメーカーの定価となってしまい、ミッドレンジクラスの製品でも2万円以上してしまう。予算1万円となるとエントリークラスの製品しか選択肢がなくなってしまうのが実情である。

ただアジアでは端末を割引販売する独立系のお店が多いのも特徴だ。例えばクアラルンプールのIT系ビル「Plaza Law Yatt」内にはメーカー正規代理店以外に多くの携帯ショップが入っており、安値でスマホを購入することができる。

訪問した2013年5月時点での為替レートは1マレーシアリンギットが33.2円。1万円以下のスマホを買うなら301リンギット以下の製品を探す必要がある。店内には大中小あわせると100以上の店舗が入っているここなら目的のスマホを探すことができそうだ。

クアラルンプール最大のITビル、Plaza Law Yatt

店内はPC、携帯、デジカメの店が各フロアーに連なる

Plaza Law Yattでスマホを購入することにした筆者だが、まずSamsungやNokiaなどの正規販売店を回ってみた。しかしこれらのショップの最安値は、Samsung GALAXY Yの369リンギットで約1万2300円。これ以外の製品は安くても1万5000円程度と予算オーバーしてしまう。

その後、独立系のショップをいくつか回ってもみた。これらのショップでは、GALAXY Yの価格は安くても定価から1000円程度割引があるくらい。GALAXY YはQVGAディスプレイに850MHzのCPU搭載のロースペック機だが、SIMフリーとなるとこれでも1万円を超えてしまうのだ。

ちなみに、マレーシアにはローカルブランドのCSLというスマートフォンメーカーがあるのだが、そちらの最低価格も400リンギット弱と1万円以下の製品は無い。このほか、以前はタイのi-mobileというメーカーの製品も見かけたが、今回はどこにも見当たらなかった。同社の製品も大手メーカー品より割安なのだが、ブランド力が弱く取扱い店舗が急減してしまったのかもしれない。

Samsungは複数の専門店を構えている

最安値のGALAXY Yはエントリーモデル

中華街で見つけた「プロモーション」販売品

Plaza Law Yattでは、1万円以下の製品が見つからなかった。そこで、クアラルンプールの中華街へと向かってみた。ここにはローカルなショッピングビル「Plaza Kotaraya」があり携帯ショップが多数入っているのだ。中古品の取扱いも多く、ビル内の雰囲気は若干妖しさもある。だがこちらでも最安値スマホは同じGALAXY Yで、しかもなぜか定価より高い価格で販売されている。人気があるので若干のプレミアが付いているのだろうか?