しかしながら、このサイズに機能を詰め込んでいるだけあって、多少の無理がないわけではない。筆者が気になったのは、やはりユーザーインタフェース。ボディが小さいことに加えて操作のためのボタン類が最低限に抑えられたスタイリッシュなデザインのおかげで、ことあるごとにメニューボタンからコマンドを呼び出す必要があるのだ。見ての通り本体には、露出補正ボタンはおろかWi-Fiボタンすら存在しない。
「でも、そういうカメラじゃないんじゃないの? 何も考えずにフルオートでパシャパシャ撮るのが正しい使い方で、露出補正とかWi-Fiなんて毎回必ず使う機能でもないんだし。使いたいときだけ、ちょっとだけ手間が増えるかもしれないけれど、普段はシンプルなインタフェースで格好良く、気軽に使えた方が嬉しいじゃん!」
……と、そう思ったあなたは正しい。実際、WX300には絞り優先AEやシャッター速度優先AEを含むマニュアル撮影モードは存在しない。つまり、基本的にカメラまかせで撮るのが前提なのだ。それに、メーカーとしてもメニューの操作の煩雑さを認識していると思われ、メニュー画面は非常にわかりやすく工夫されている。加えて、トラブルシューティングまでフォローしたオンラインマニュアル「カメラ内ガイド」が搭載されているので、操作に困ったときは、まずこれを参照するといいだろう。用語解説まで収録という充実ぶりだ。
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